鶏「いいんですかね?放っておいて」
狐「いいよ。ほっとけよ」
鶏「でも・・・・」
かかし「てめーあいつの肩持つ気か?」
鶏「か…肩とかそういうんじゃないんですけど…」
犬「あんな失礼な方、少なくともワタクシは関わる気にはなれませんな」
鶏「で・・でも・・ま、魔女さぁん」
魔女「私、人を殺すような危ない人と関わりたくない」
鶏「ええ!?そんな魔女さんまで……いいんですか?」
魔女「………」
鶏「魔女さん?」
魔女「案内人としては失格です」
かかし「……は?」
狐「……へ?」
鶏「……え?」
魔女「魔女は案内人に選ばれ、ホストを導く役目を負っています。しかし魔女は役割上ホストを導くことが出来なくなりました。案内人に適役な方を選出してください」
犬「ど……どういうことですかな?」
魔女「この世界にはホストとホストから派生した役割を演じる存在が登場します。」
狐「役割を演じる存在?」
魔女「ホスト自身かホストに強い影響を与えたものが役を構成します。この度のホストの場合、ホストから弱虫、欲張り、嘘つき、傲慢の役が派生し、ホストに強い影響を与えた家族の価値観の象徴として正しい者が役を得ました。本来なら親友も登場するべきところを、ホストの強い拒絶を受けたため、この度の登場は見送られました」
かかし「お前……魔女か?てめー誰だ!?」
魔女「私は案内人。本来どれかの役割が担当するホストを導く者です」
狐「ホストを導く?」
かかし「ホストって……カオルか?」
魔女「はい。ですが魔女は役割上ホストを導くことが出来なくなりました」
鶏「どういうことなんです?それは」
魔女「魔女は正しい者です。役割上間違った者を許せず、その接触すら拒みます。ホストは魔女の倫理観上間違った行いをしました。よって魔女はホストとの接触を拒み、導くことが出来なくなりました」
狐「導くことが出来なくなったって……じゃあ、どうするのさ?」
魔女「適切な案内人を選出してください」
鶏「選出してくださいって……案内人になったら、ど、どうなるんですか?」
魔女「ホストを導きます」
かかし「導くって……出口に連れてけってことか?」
魔女「ここから出るか否かの選択権はホストにあります。望めばここに留まることも可能です」
鶏「なら、別にこのままでもいいんじゃ…」
魔女「ホストはこれからの行動を決定しなければなりません。案内人はホストが行動を決定するまでホストを導かなければなりません」
かかし「なあ、あいつがここに留まることにした場合、どうなるんだ?」
魔女「年を取ることもなく、永遠にここで暮らし続けることが可能です」
犬「時が止まってるようなもの、ということですかな?」
魔女「厳密に言えば違います。こちらの時間の流れはホストが元いた場所の時間の流れに影響します」
犬「ふむ。こちらで過ごした分だけあちらでも時が進むということですかな?」
魔女「いいえ。こちらの時間の流れがホストの元いた場所にかける影響は不確定です。こちらで過ごした時間より早く進んでいることもあれば、遅く進むことも、逆行することもあります。また、その速度も一定しないため、ホストの元いた場所が、ホストが落ちてきた時間からどれだけ進んでいるのかこちらから予測することができません」
かかし「つまり……えー……どういうことだ?」
魔女「例えば、今から出口に向かい、ホストの元いた場所に戻ったとして、ホストが落ちてきた時間から1秒も進んでいない可能性もあれば、ホストが既に死亡している可能性もあるということです」
狐「死亡って・・・え!?大丈夫なの?」
魔女「選択権はホストにあります。しかし、早急に決断をしなければ、選択肢は狭まる可能性が高いでしょう。ホストの元いた場所でホストが死亡した場合、ホストの元いた場所での時間は止まってしまいます」
鶏「じゃあ、カオルさんがもし死んでしまったら、取り返しがつかないっていうことですか?」
狐「なあ・・・それって、まずいんじゃないのか?」
魔女「案内人を選出してください」
犬「選出・・・・と言われましても・・」
かかし「なあ・・もし、案内人をこの中から選出したとしたら・・・・、魔女はどうなるんだ?」
魔女「魔女は魔女の役を続けます」
鶏「それって・・変わらないということで良いんですか?」
魔女「はい」
犬「なら、一安心ですかな」
かかし「・・・・そうだな」
犬「では、誰がやりますかな?」
全員「・・・・・・・」
狐「僕がやるよ」
かかし「お前にゃ無理だ」
狐「何でだよ!?」
かかし「お前は相手の話を聞かねー」
犬「確かに・・・・」
狐「どういう意味だよ!?」
鶏「『魔女の正しさは一面的過ぎる』、『かかしは怖い』えっと・・他にも・・カオルさんにそう信じ込ませて、本当の彼女たちを見せようとしなかったでしょう。そういう導き方をするんでしたら、止めた方が・・」
狐「・・・・・じゃあ誰がやんだよ」
かかし「俺がやってやるよ」
狐「それはどーかと思うよ」
かかし「ああああ!!?てめ、何のつもりだこら!」
狐「ほら、そうやってすぐ脅す。カオルがびびって出来る選択も出来なくなったらどうするのさ」
かかし「・・・・じゃ、誰がやるんだよ」
犬「仕方ありません!ワタクシがひきうけ」
狐「却下」
犬「な!?なぜですかっ!?僭越ながらワタクシほど適任な方はいらっしゃらないでしょう!」
鶏「あの・・カオルさんのこと、自分のものに出来るんじゃないかって、少しでも考えたのなら、やめたほうがいいと・・」
犬「・・・・むぅ。では、どなたがやるのでっ!?」
(犬、狐、かかし、それぞれ視線が一巡し、鶏に)
鶏「わ、私ですかっ!!?」
かかし「いや、無理だな」
狐「鶏には荷が重いよ」
鶏「え・・・でも・・」
犬「今のカオル殿は精神状態が不安定になっています。激昂されたカオル殿に怖気づかず、導ける自信はおありですかな?」
鶏「・・・・・・・じゃあ・・・どうするんです?」
全員「・・・・・・・」
狐「ねえ、やっぱり、魔女が一番適任なんじゃない?」
鶏「でも、魔女さんにはもう導けないって・・」
かかし「ま、他にこんな面倒くせー役引き受けそうなのはいないのは確かだな」
犬「魔女嬢だって引き受けないでしょう!」
かかし「おい、テメー!」
魔女「はい」
かかし「魔女を案内人にすることはできねーのか?」
魔女「可能です。但し、その際には魔女がカオルを案内できるよう、説得をする必要があります」
鶏「説得・・・」
犬「説得してどうにかなる相手ですかね」
狐「そういうことなら、僕がやるよ」
鶏「狐さん・・」
かかし「できんのか、テメー」
狐「当たり前だよ。知ってる?嘘って言うのは、相手が納得できるようにつかなきゃ意味が無いんだよ」
かかし「へえ?言うじゃねーか。じゃあやってみろや」
狐「案内人には魔女を選ぶ。説得するから魔女を出して」
魔女「案内人を魔女に設定します。しばらくお待ちください。・・・・・・人殺しと関わる気は無いって言ったでしょ」
狐「いいの?」
魔女「何が」
狐「魔女はカオルから派生したんだって。正しい者として」
魔女「知ってる。狐だってそうでしょ。私はこれでも案内人の知識も一緒に持たされてたんだから」
狐「へえ?なのに、カオルとは関わりたくないんだ」
魔女「何でよ?あなたはどうなの!?人殺しなんだよ!?」
狐「それでも僕らはカオルから派生して生まれた。言うなれば、カオルは僕たちの親なんだよ?僕は心配だね。カオルは苦しんでる。自分の親友を殺してしまったから。根っからの悪人てわけじゃないってことだよ。なのに、理由も事情も聞かずに「ヒトゴロシ」って見捨てるの?どんだけ偉いのさ、魔女は。自分もカオルから生まれたくせに」
鶏「ちょ・・狐さん・・言い過ぎでは」
魔女「・・偉いよ。だって、私は・・カオルの理想なんだから」
狐「そう。じゃあカオルは自分の理想に見捨てられたんだ。可哀想に」
魔女「見捨てた見捨てたって・・・・・言わないでよ!!私だって・・・・好きで、カオルのこと」
狐「ならさ!」
魔女「・・・・・・・」
狐「助けてあげなよ。魔女が、カオルの理想が、カオルを救わないで、誰が救うんだよ」
魔女「・・・・・・・・・私は・・カオルのこと許せる自信無い」
狐「自分の親がどうなってもいいの?」
魔女「・・・・・だから、みんなも」
鶏「・・私たち、ですか?」
魔女「一緒に、ついてきて・・・・欲しい」
かかし「いいのか?」
魔女(頷く)
狐「それでいい。行こう。カオルのとこに」

暗転

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

あなたはだれ 3-2

3幕目は一応これで終わりです

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投稿日:2011/04/18 06:58:36

文字数:3,539文字

カテゴリ:その他

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