春が終わっていくのを
君のように受け入れなきゃ
僕に夏は来ないようで
またねって言えた別れが
いつか別の言葉になって
悔いを残さないなんてできないよ

さらう波の音
静かな風
夜を切り取る

夏が止まって僕らを閉じ込めて
写真のように
写真のように消えない
記憶に夏夜の刹那を刻むように
苦しさだって
寂しさだって
忘れないように

手を引かれ砂に二人足跡を残した
僕達が居た証を
止まっていたかった僕と
前を向いていた君だったけど
先じゃなくて隣に居てくれたから

落ちる砂の音
ずれる針
今はもう過去に

春が終わって君が見えなくなっても
花火のような
花火のようなその声が
凪ぐ閑夜を波立たすように
心をどうか
想いをどうか
忘れないように

さらう波の音
静かな風
闇に灯した

夏が止まって僕らを閉じ込めて

夏を照らして僕の目を奪った
花火のような
花火のようなその声が
咲いて滲んだ夜の色がきっと
褪せないように
褪せないように、

忘れないように