目を覚ますと見知らぬ天井が視界を埋めた。
白い地色に、黒い格子状の木枠。
ぼんやり目に映る天井を見上げているものの、
アリスには現状が把握できていなかった。

「ここ、何処?」
分かっているのは自分の知らない場所だと言うことと、
自分の知っている人がいないということ。
「目が覚めた?」
優しく、声をかけてくれたのはトロンとした目の少年。
大きな瞳がアリスを心配そうに覗いていた。
淡い淡い水色の瞳。アリスはその瞳に安らぎを覚えた。
「痛いところはナイ?」
こくりと頷くと少年は笑顔になった。
「寒気とかはない?大丈夫?」
アリスがまた頷く。
「ぼくはユリウス。ユリウス・クライマーっていうんだ。
まだ、ぼーっとしてる?僕はアリスちゃんが
目を覚ましたことを知らせてくるね。」
アリスの目に不安の色が宿る。
アリスは不安に耐えられず、縋るような目でユリウスを見つめた。
少女の頭を撫でながら、優しく微笑む。
「大丈夫、すぐ戻ってくるよ。」
そういってユリウスは扉の向こうに消えていった。

アリスは寂しさを耐えるように布団に包まる。
今までいた世界とは違う知らない世界で唯一人なのだ。
アリスはこの世界が大好きな少年のいる世界だと願いながら眠った。
眠れば少年に逢えるはずだと信じて…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

Innocent Baby 第陸話

今回はいつも以上に短くてすみません。
流れ的に此処できるのがベストだったのです。
そこの人石を投げないでぇ~(><。)

連載している「InnocentBaby」なのですが魅月祐様が
キャラクターデザインをしてくれることになりました。
素敵なイラストをかかれるお姉様で私には本当に勿体無いです。
魅月祐様本当にありがとうございます。

魅月祐さまのページはこちら
http://piapro.jp/midukiyuu

閲覧数:95

投稿日:2009/08/12 23:44:02

文字数:542文字

カテゴリ:小説

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