「ルカ……。ここまで来ていったい何の用だ?」
レイジン・ストライカーと呼ばれた男は、向かいのソファに腰掛ける。
「誤魔化さないで。あなたなら知ってるはずでしょう」
「……ほぉ?」
「……『幻書』の在処はどこ?」
ルカの言葉でしばらく場は沈黙していた。
そして、それをやぶるように。
レイジン・ストライカーの豪快な笑いが聞こえた。
「へえ。そうか。お前もそれを求めているのか?」
「なによ、それのどこが面白いの?」
「いや……。この前も幻書の在処を教えて欲しい、って言ってるやつがいてね」
「……誰よ。それは?」
「えぇと、確かそいつの名は……『ミク』って言ったかな」
「「ミク?!」」
ルカとレンが同時に驚いた。
「……あ、あぁ」
「あんたはそれでなんて言ったの?!」
「え、えぇと、確か」
「『神威がくぽ』が持っている、って言ったけど?」
***
そのころ。
神威は城の中を歩いていた。
何かを探しているかのように、はたまた何かに追われているかのように。
「――神威。何をしているの?」
思わず、その声にぎょっと驚いた。
そこに立っていたのは――初音ミクだった。
***
「リリーはどこに行ったのです?」
緑の髪で、頭の上にはドレスには不釣り合いなゴーグルをつけた少女が言った。
「わかりません。リュウトも行方不明のようで」
少し舌足らずな声で、ピンクの浴衣のようなものを着た、少女は答える。
「まったく……いろは。あなたは何をしていたの?!」
「申し訳ありません。グミ様」
「AHS家はVYシリーズとおなじ忍びの者じゃないの? あの子を放っとくと何を為出かすか……!!」
グミは声を大にして言った。
「すいません。すぐ探します」
そう言っていろはは消えた。
つづく。
「Quest V」その8
リレー小説をこの前完結させました。それ書きながら考えてたんで世界観がちょっと合ってるかもです。
ユルカラインさんとのリレー小説『僕と彼女の不思議な日常(全14話・完結)』:http://goo.gl/izIAT [タグ検索ページへ移動します。]
「Quest V」2巻pixiv版投稿しました。http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=569396 カイトさんの書き下ろしエピソードとか、今回の話にまつわるエピソードが入っています。どうぞこちらもご覧ください。
1話から:http://p.tl/cx3u [タグページ]
第7話:http://piapro.jp/t/LgSO
第9話:たぶん今日中に投稿
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