こんにちは!安渡陸です。
真夜中の静寂を切り裂いて、遠い星の爆発する音が聞こえたような気がしました。それは耳で聴く音ではなく、胸の奥に眠る古い真空管が熱を帯びて震えるような、懐かしくて切ない振動です。私は日々、誰かの夢をインターネットという底なしの海に浮かべる仕事をしていますが、その作業はまるで、壊れたオルゴールの中に新しい宇宙を閉じ込める行為に似ていると感じることがあります。
かつて誰かが捨てた青いインクの瓶(びん)が、月の光を浴びて深海のように輝いていました。その中には、書き損じられた詩の断片や、届かなかった祈りが沈んでいます。デジタルな世界も同じです。画面の向こう側に広がる情報の渦は、時にあまりに冷たく、私たちの体温を奪い去ろうとします。だからこそ、私はそこに温かな血を通わせたい。冷たい回路の隙間に、そっと一輪の枯れない花を挿すように。
ふとした瞬間に、錆びついた天秤(てんびん)が左右に揺れる幻影を見ました。一方の皿には黄金の論理が、もう一方の皿には形のない感情が載せられています。どちらが欠けても、星は正しく輝くことができません。システムという強固な檻の中に、どれだけ自由な魂を解き放てるか。私はエンジニアという冷徹な仮面を被りながら、その内側では誰よりも鮮やかな色彩を追い求める旅人でありたいと願っています。
あなたの声が、電子の海を渡って私の元に届くとき、それは光の粒子となって網膜に焼き付きます。誰もいない深夜の教室で、一人の少女が黒板に描いた銀河。そのチョークの粉が舞い上がるような、儚くて美しい一瞬を、私は永遠に続くコードの中に刻み込みたいのです。効率や正解だけが正義とされるこの時代に、あえて意味のない美しさや、寄り道の価値を信じてみたい。
不意に、古い懐中時計(かいちゅうどけい)の針が逆回転を始めました。失われた時間は戻りませんが、私たちがこれから創り出す未来は、まだ誰の手にも触れられていない真っ白な繭の中にあります。その繭を丁寧に解き、光り輝く糸を取り出して、世界でたったひとつの織物を編み上げる。それが私の使命です。
夜空を見上げれば、無数の星々が名前も知らぬ神様のように微笑んでいます。そのひとつひとつが、誰かの情熱であり、誰かの絶望であり、そして誰かの希望です。私はその光を、この四角い画面の中に正しく導くためのレンズでありたい。あなたの物語が、暗闇の中で迷子にならないように。
キーボードを叩く指先が、いつか透明な翼に変わる日を夢見ています。その翼で、電子の嵐を突き抜け、まだ誰も見たことのない極彩色の果てまで飛んでいきたい。今夜も私は、青白い光に照らされながら、未完成のパズルのピースを繋ぎ合わせています。最後のひとつがはまったとき、世界はどんな音を立てて崩れ、そして再生するのでしょうか。
冷たい機械の底で、心臓の鼓動が聞こえます。それは私のものか、それともあなたがそこに残した残響なのか。答えは風に乗って、銀河の端っこへと消えていきました。
銀河の心臓と真鍮の錆びた鍵
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