雨の音が鳴り響く音で、アカイトは目を覚ました。
「ん・・・」
「おはよう、アカイト」
片割れのバンは、もう起きていたらしい。アカイトは、
「バンって、結構早起きなんだな・・・」
と、少し目を白黒させて呟いた。
「あれ、タオルケット・・・バンか?」
「いーや、違うな」
バンは少し面白そうにタオルケットを見つめる。
「・・・?」
アカイトは不思議そうにタオルケットを眺める。
しばらくして、タオルケットの中から何やらごそごそという音。
「・・・・うー???」
それからひょっこりタオルケットから顔を出したのは、
「あ、お前・・・」
「そうだ。ルワくんだろうな、おそらく」
バンは訳知り顔で頷くが、
「っていうか、何で俺と密着してんだよっ!それに、バンも嫉妬とかしろよっ!?」
アカイトは慌ててルワから離れる。
「私は、昨日存分に密着したから大丈夫だ」
「・・・」
アカイトは顔を赤らめ言うバンを一旦無視して、
「なぁ、いっつも、そこの駄菓子屋さんでかりんとうと芋けんぴ買ってる男の子だろ?」
「うん」
アカイトの言葉に、まるで女の子みたいなルワは頷いた。
「名前は、ルワくんだよな?」
「うん」
「確か苗字は、夜音だよな?」
「うん」
「相槌しかしないのか?」
「うん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
相槌しか打たないルワに、アカイトはバンにどうしようと目で訴える。
「ま、いいんじゃないか?こういう子も可愛げがあるというものだ」
「まじでー?」
アカイトはため息をつきたくなったが、
「・・・そうだな。ミンに比べれば断然ルワくんがいいな」
「ちなみに、ルワくんは何歳だ?」
バンが聞くと、
「12歳」
しっかり答えるルワ。
「・・・」
意味ありげにアカイトを見るバン。
「な、何だよ・・・バン」
少したじろぐアカイト。
「12歳だって・・・ロリコンなアカイトにはたまらない年齢なんじゃないのか?」
「なっ・・・」
バンの言葉に目を丸くさせるアカイト。
「ろりこん?」
ルワはなぜか食いつく。
「ちょ、おま、ルワ、食いつくとこ違うだろ?」
慌ててアカイトはルワを見る。
「そうだ、ルワ。この髪が赤いお兄さんはな、実はロリコンなんだぞ」
「バン、余計なこと言うなよ・・・っ!!」
「髪が赤いお兄さんが・・・ろりこん」
「ちょ、待て待て待てぃ!!」


と、そんなこんなで騒動を巻き起こそうとした時。


「こんにちは~、あれ?」
「こんにちえ~、ほれ?」
昨日と若干違うような感じで、フワとムウがやって来た。
「「もう子供できたんですね~~♪」」
「あー、違うから。もう面倒くさいから、説明省略しようかな」
アカイトはため息を思いっきりしてから言った。
「分かってますよー、その子は、ルワくんですよね~」
「マスターから捜索願いが出されてるんですよ~、さあ大人しく私たちに同行して下さーい」
「・・・」
ルワは首を傾げる。その様子を見て、
「? もしかして、その捜索願いって嘘「さあルワくんを渡しなさ~い」
アカイトの言葉を思いっきり遮るムウ。
「いや、ルワくんを渡す理由が無い限り、ルワくんは手放さない」
アカイトはルワを抱き寄せる。
「あ・・・」
ルワはなすがままに、アカイトに抱き寄せられる。
「・・・ろりこん」
「・・・なっ」
「「ろりこんは犯罪者ですよ~~」」
ルワのぼそっと発言に、フワとムウは強調するかのように言い立てる。


アカイトが違うと言おうとした時。


「こんにちはー、今回はもう騒動が起きてますね」
「・・・そだね、ジミ」
ジミとレトが仲良くやって来た。通称、ほのぼのコンビ。
それから、
「あっ!」
モコがやって来て、ルワを見るなり大声をあげる。
「・・・モコ」
ルワがびっくりしたように目を丸くする。
「ちょ、なんでルワがいるんですかっ?」
「いや、それはこっちの台詞。何でモコがここにいるの?」
「・・・恋人どーし?」
レトは何やら考え込んで言う。
「だめですよ、根拠も無しにそんなこと言っちゃだめです」
ジミが優しく言う。
「わかった」
レトはほっぺを赤くして返事した。
「あー、なんだ。モコ、ルワくんのこと知ってるのか?」
アカイトはモコを見る。
「いっつも、かりんとうと芋けんぴを買い占める不届き者です!」
モコは半ば泣きそうにルワを見る。
「・・・あれ?モコって、かりんとうと芋けんぴ好きだっけ?」
アカイトは一つの疑問を口にする。
「私は甘いものが好きなんですけど、いっつも洋菓子食べてたら虫歯になるよってマスターから言われてますから、駄菓子とか和菓子で手を打ったんです」
「・・・こんな裏話があるとはな。でも、駄菓子とか和菓子とかも結構甘くないか?」
「何言ってるんですか。洋菓子は添加物とか着色料があって体に悪いんです。でも駄菓子とか和菓子とか、あと手作りのお菓子とかはそういうのあまり使ってないんです」
「あ、そういうことか」
そういえば、俺昨日ケーキ2個食べたっけとかアカイトは思った。
「それで、ルワさんのことが許せなかったんです」
「なるほど」
アカイトはモコに頷いて、ルワを見る。
「ルワくん、今かりんとうと芋けんぴ持ってる?」
「・・・家にある」
「じゃあ、今度持って来てくれないか?人も大勢来るからな」
「アカイトのマスターとかか」
アカイトの言葉に、バンがたずねる。
「今度、夏休みになったら遊びに来るって言ってたぜ」
「楽しみだな」
「ますたー・・・」
ルワは何かを思い出したかのように、
「帰る」
そう言って、部屋から飛び出していった。


しばらくルワの行動にあっけに取られつつ、今日は緩やかに過ぎていくのだった。





       一応、続く!(番外編書くかも)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 ルワの登場と朝の雨降る時には騒動と時間は過ぎる 【後編】

こんにちは、これで本日3つ目の作品のもごもご犬ですこんばんは!
今回は、夜音ルワくんが出演してもらいました!マスターさん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします><

番外編、書くかもしれません。
だって、ルワくんが駄菓子屋でかりんとうとか芋けんぴとかをモコちゃんと取り合いする場面とかモコちゃんが傘もってないルワくんに傘半分貸したりする場面とか書いてみたいです!^^
あら・・・ルワくんとモコちゃん、何だか恋愛に発展しそうな雰囲k((


次回は、番外編か、また新たな亜種に登場してもらうかのどっちかです!お楽しみに!><

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投稿日:2010/06/25 16:38:55

文字数:2,380文字

カテゴリ:小説

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