電車の中、向かいの窓の外
夕焼けが空に色を映していた
ただぼんやりと眺めていたが
落下するそれを見つけた
夕焼け色に燃えて落下していた
飛行機かと思い直したが、
しかしそれは確かに地面へと向かっていた
隕石か?
ばかな、否定した
ここから肉眼で且つ、自分の視力で捉えられる程の大きさなんて
どこぞの国が大気圏にはいる前に警告しているだろう
でももし
もし、隕石だったら?
隕石でなくてもいい
あれだけの
目の前にあったらつまめそうな小石程の大きさの
物体が落下しているのだとしたら
ここにうごめく痛みも
一緒に消えるのだろうか
どうやっても拭えないこの痛みは
散り散りになるのだろうか
キミと一緒に
電車の向きが変わった
それは見えなくなった
幻だったのか?
でも立ち上がって確認する気にならなかった
いつまで待っても何もおこらなかった
幻だったのか
それでもいい
この痛みはまだここで
うごめいていればいい
そう、思った
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