二本の爪が、ネズミの尾を摘まみ
煮るなり、焼くなり、好きに出来る王者と
震えて、ビクつき、隙を探す囚人
「いつか、必ず
貴方様を、救います
今は、どうか
命だけは、お助けください」
すると
王は、高笑い
「お前のような、無知なネズミ
裂いただけで、血で、爪が汚れる」
我を、救うなどと
足下は、掬われたわい
逃げるネズミの背中に、嗤い声が、木霊する
「いつか、どうにか
貴方様の、得になる
僕を、どうか
怒り、収め、お助けください」
すると
王は、高笑い
「お前のような、無知なネズミ
裂いただけで、血で、爪が汚れる」
我を、救うなどと
足下は、掬われたわい
逃げるネズミの背中に、嗤い声が、木霊する
未だ
王は、ただ、嗤い
「お前のような、無恥なネズミ
食っただけで、血で、牙が汚れる」
王の、ためになるさ
ダメ元も 嘘は、吐(つ)かない
歩くネズミの背中に、奮い立つ日、昇りゆく
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