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119 ーヒトヒトリ・ココニアリー

静寂の夜僕は一人で
不思議な夢を見ていたんだ
工事現場の滑落音から
始まる選択の物語

俺を恨まないでくれと
神様がとても気まずそうに
ゆれる部屋の隅っこで
踞っているのが見えたんだ
感覚のない鳩尾
そそり立つ鉄骨の威圧感
どうか冷静にと耳元で
囁く声が聞こえた

成功率一割り強の
ギャンブルオペ/余命告知
選択の余地無き孤独戦士
悲痛に埋もれたキャッチ22
「奇跡を信じるかつまりは俺を信じるか
それとも死ぬかの二者択一」
神様はうめく
「悲愴武装纏う我が心臓、答えよ」

世界を恨む「特権」と
奇跡を信じる希望の相克は
僕の歯車を狂わせて
バラバラにして燻らせていく
運命を憎むこの鼓動は
それでも動き続けていた
まるで僕の躊躇に
麻酔を打つみたいに

ここで夢の続きを
少し早送りで見てみよう
真っ赤な手袋をした
白衣の慌て様が滑稽だ
あいも変わらず部屋の
隅では神様が半べそで
手を合わせて祈っている
おいおい何に対してのつもりだ?

成功率一割り強の
気休めオペor余命提示
それでも時間に慈悲は無い
刻々と迫る選択の瞬間
不幸を罵るかつまりは俺を罵るか
それともどうする薄幸少年
神様はふてる
「奇想理想抱く誰が幻想、報えよ」

世界を恨む「特権」は
僕の心のシェルターを作った
虚無に落ちても平気なように
何も感じない鋼鉄の閂
サイレンと心電図は
それでも僕を励まし続けていた
まるで僕の絶望に
麻酔を打つみたいに

そこは紅白入り乱れる
動く寝室のベッドの上
これは夢なんかじゃなかった
少年は自分自身だった
今や全てが変わり果てて
しまったように思えるけれど
僕にとっては実に
三分三十二秒の出来事だったんだ

世界を恨む「特権」を
永遠に手放すことができないなら
不幸自慢が一番の
得意分野になってしまうだろう
それじゃ例え助かったって
如何にも恰好がつかないや
神様、あんたはそこで
見ていろ。この僕の選択を!
世界を恨む「特権」を
かなぐり捨てても僕は生きてやる
ニヒルに死を受け入れること
それを「勇気」と呼ばせやしないから
運命を崩すこの意志で
拳に力を込めて
挑むんだ今から
僕は世界と戦う
「そして勝つよ」

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投稿日:2015/04/21 20:10:12

長さ:04:27

ファイルサイズ:6.5MB

カテゴリ:ボカロ楽曲

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