Synchro NiGHT -AntiStory-
「ね、ミヤ、あんな言い方してみなよ、誤解を招くどころじゃすまないだろう?」
ユナに接触するミヤの様子をモニター越しに見ていたが、あれはどうみても誤解を招くだろう。
ミヤに簡易の爆弾を投げつけるが、斬られた。
さすがはミヤだ。
「爆弾…わぁ悪趣味、別に悪役もいいじゃないですか。
善の認識に悪は必要なんだって
それに、悪役でもいいからこの街を消すんだ!とか言ったの、オウカさんじゃないですか。
その通り、それっぽいオーラ纏って行ったらダメだったですか…?…そうですか。」
くやしいけど、確かにその通りなのだ。
「ところでミヤ、彼女は?」
「ちゃんと連れてきましたよ、ほら」
見慣れた姿なもので、尋問もしにくいのだがな。
「久しぶりだね、ミヤ、オウカ。
あなたたちがここにこうして居るってことは…
現実世界からの刺客かしら…?」
「自覚はあるのか?ここが幻の街だってこと」
「もちろん、そうじゃないと、私の望む街にできるわけないじゃないか」
この街、アルカはエラーを起こした空想庭園なのだと聞いた。
勝手に人…いや、VOCALOID達を迷い込ませてしまうそうだ。
迷い込んだ者は、まるで初めからアルカに住んでいたような感覚に囚われ、現実に戻れなくなる。
ここにいるアイというストーリーテラーが、首謀者だ。
VOCALOID消失事件を、オリジナルのストーリーテラーと探るうち、見つけ出した情報だ。
本当は彼女が空想庭園を修復すればよいのだが、アイがオリジナルに与え去ったダメージが大きかった。
そうして私達、私、ルア、ミヤの三人がアルカを壊すために派遣されたのだ。
この計画で鍵となるのはミツキだ。
空間に直接穴を空け、現実世界に住人を戻さなければならない。
しかしその彼女が住人となっており、記憶を取り戻すために今ルアが向かっている。
「この街は私たちの手で破壊させてもらうからな」
「って、計算通り。やっぱりオリジナルは能力使えないか。
ということは、ここに来るのに既に架空切断使ってるよね?
そのせいで、すぐにはチャージがおわらなくって、今待機中。
およそあと3時間ってとこかしら…で、その間私が行動を起こさないようにこうして捕まえた、か。」
「悔しいけど、さすがは創造主といったところか」
「だけど、残念、私はね…こんなロープじゃ捕まらないよ」
するりと抜けて、消えてしまった。
ミヤが、何で逃がすのさ、という目で私を見ていた。
Synchro NiGHT -AnotherStory-
リノは願いとして生まれてきた。
しかし彼女の願いを叶えようとする者は現れないのか。
あの子は弟に会いたがっているのに。
そう考えた私は、ある日尋ねた。
「願いは、ある?」
「うん」
彼女の願う街をつくろうと思った。
そのことでオリジナルと対立した。
なんとか勝った私は、自らをアイと名乗り、アルカを作り出した。
まずは、レイが実体化するための施設、時計塔を作った。
リノと仲の良いVOCALOIDたちは、次々と街の住人にした。
そうしてアルカが完成したのだ。
しかし、ミヤたちが邪魔をしてきた。
街の平和が乱れる、と思った。
たとえコピーであっても、私は空想庭園の主、消すことだって可能だった。
しかし、アルカは平和すぎた。
平和な物語は、面白くない。
かといって住人の誰かを悪役に変えたくもなかった。
これは面白そうだって思った。
RPGのボスを相手にしているみたいってね。
ここの住人は死んでも、現実に戻ってしまうだけだから、別に彼女らを入れてもいいかなって思った。
もちろん、何度だって何度だってシュミレーションをした。
私がこの世界とともに消えちゃう確率は70%
でも、物語はこうでなくっちゃ。
物語を完結させるために、自らの命だって賭してみせる。
それが、ストーリーテラーの本能だから。
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