空気が揺れるような暑い夏の
ひっそりとした路地にある
大きな屋敷の木々に遮られた
涼しくて暗い坂を歩く

苔むしたベージュの壁に
ひとり張り付く蝉の抜け殻が
きっと私は羨ましいのだ

鬱屈とした土の中の
好きになれない身体から
夕暮れに這い出て
ほとんどちがういきものになって

空を飛んで大声で叫ぶ

蝉がきっと羨ましいのだ

それでも私は虫ではなくて
だからこれから
勉強しに行かなければいけない
自力で変わるために


坂の終わり バス停に着いた
生物の教科書を開くと気づく
蝉は不完全変態のいきものだ

もしかしたら蝉は
自分では知らぬまま
飛び立っているのかもしれない


バスが来た
行ってきます!

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蝉の抜け殻

受験生の夏に書いてた詩

閲覧数:247

投稿日:2016/05/30 04:31:16

文字数:305文字

カテゴリ:その他

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