----それでもいい、大丈夫。
   私はただ、失いたくないだけなんだ。


やかましいアラームで眼を覚ます。
目覚まし時計は6:30。
「ぅ~~~」
何だか、すごい壮大な夢だった気がする。
とても、哀しいことがあった気がする。
・・・・・・次の話に使えるかな。
ふとそう思って、頑張って思い出そうとして・・・・・・止めた。
「・・・・・・泣いてるし」
誰が聞いてる訳でもないのに、ぼそりと零した。


「っはよ、マキ。どしたん?ぼーっと歩いて」
寝起きは最悪だった。でも、いつも通りに支度をして、いつも 通りに学校に着いた。そして下駄箱前で上履きへ履き替え てたら、これだ。
当たり前のように、クラスメイトのハルが後ろからヘッドロックを かましてくる。
「・・・ちょ、ハル。ぎぶぎぶ・・・」
頭に回された腕をぽんぽんと叩く。
この時間に、ハルに下駄箱前で会うのもいつもの事。
ヘッドロックをいきなりかけられるのは・・・三日に一回くらい。
ハルはいつも明るくて、楽しそうだ。
今も楽しげにニヤニヤと笑いながら、こちらを見ている。
「ふっふーん♪このハル様に勝とうなんざ、50年位早いんだ かんなっ」
・・・・・・いきなりに意味不明なことを言い出すのは、通常運転 。
呆れて溜め息を吐くと、ハルは訝しげな顔をした。
「・・・・・・マキ?本当に体調悪い??」
いつもの応酬がないせいか、心配そうに覗き込む。
体調は、悪くない・・・今朝見た夢の気分を今も引き摺ってい るだけ。でも、そんなことは恥ずかしくて言えない。
だから、にやりと笑う。『罠にかかった』と思ってもらえるように 。自分の暗い気持ちを、覚らせないように。
「あぁ、悪い悪い。朝からハルにヘッドロックかけられる位だ もん」
「・・・・・・ぬぁにをーっ」
一瞬、キョトンとした顔をしたハル。でも、すぐに気付いた様 子でしかめっ面を作る。
「マキがいくらほざいても、ハル様に勝てないことに変わりは なぃ・・・」
「はいはーい、そこまで!」
胸を張って更に何かを言おうとしていたハルとの間に、上か ら手刀が降りる。確認するまでも無い、トモだ。
「毎朝毎朝、二人とも本当に飽きないねー。僕が風邪でもひ いて休んじゃったら、揃ってHRに遅刻すんじゃないのー? 」
困ったような、飽きれたような顔のトモに促されながら皆で教室へ向かう・・・・・・これも、いつもの事。
努めて、夢の余韻を払おうとした。『いつもの事』で今日も過ごす為に。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

無秩序~いつものための何か

何の予定も立てずに書き始めた結果のプロローグ。
人物設定もこれからの展開もまるっきりの白紙なんだぜ←

テーマ?
「純粋で変わらない気持ち」

さて…主人公の性別をどちらにするか、まず決めないと(;´Д`)

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投稿日:2014/01/15 10:37:02

文字数:1,039文字

カテゴリ:小説

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