AM 7:00 起床。
いつもどおりの時間に起き、登校の準備をする。
ケータイで今日の天気を確認する。
『6/31 全国的に晴れ』というテロップが流れる。
晴れか・・・熱くなりそうだなぁと思いながら朝食のパンに手を飛ばす。
『6月31日』
なぜかこのフレーズがひっかかったような気がした。
昨日の記憶をさぐる。事故にあって眠り続けていた。
その時に確認したデジタル時計。
『2010/06/31 13:14』
確かに昨日は6月31日。
事故にあってからちょうど1週間後。
再検査もして異常は見当たらないといわれて帰宅した。
そんなことを考えているとママの声『そろそろでないと遅刻するわよ~』
リビングにあった時計を確認。
針はちょうど8時を知らせていた。
さっきまでの違和感などいつの間にか消え去っていた。
『いってきまーす。』
AM 8:00 家を出る。
AM 8:25 付属高校前通過。
遅刻ぎりぎりで教室のドアをあけた。
クラスメートたちの『遅刻ぎりじゃーん』『おはよー』といった声が飛び交っていると
HRを知らせる鐘とともに担任が教室に入ってきた。
仲のいい有人が休み時間に事故にあったのに大丈夫?的なことを聞いてきたけど
1週間寝ていたわりに大丈夫なのが自分でも驚きだよーなんて返し
いつもどおりの学校。
そしていつもどおりの放課後。
2度目の違和感はそこにあった。
校門のところによく見知った姿があったから・・・。
その姿こそ毎朝 見かけていたはずの先輩。
以前、友人情報で名前も教えてもらっていた。
大前 睦月(おおさき むつき)。
誰かの帰りを待っているのだろう。
やっぱり彼女なのかなー・・・だとしたら失恋確定だよ~なんて
足取りが重くなったように感じつつ、校門を通り抜けようとした瞬間。
『な~ぎ~ちゃん。どこいくの~?』と声をかけてきたのだ。
もちろん私は混乱していて返事などできなかったし、
だからといって呼びかけられているのに足を動かすこともできなかった。
『事故のあと目が覚めてすぐに学校だなんて無茶するなよなー』
『それに彼氏がいるのに素通りしていくなんてひどいと思うんだけどな』
と彼は思考停止状態の私にさらに言葉を続けた。
とりあえず・・・返事をしなければ・・・と『・・・あ。あの。』
たったその一言だけだった。
その後は彼の行動はすばやかった。
私の手をとりすばやくその場から逃げるように走り出した。
たどり着いたのは二人でよく来るという喫茶店。
彼は『いつもの』と言いながら席につく。私もつくように促す。
『いつもの』がテーブルのところに置かれたところで彼が口を開く。
ぶっちゃけ校門からここまでの流れの間の私は思考停止状態。
どうやら事故にあったことで忘れていたことがあるらしい。
それが目の前にいる彼(事故前は「睦月」と呼んでいたらしい)と恋人の存在。
確かに気になっている相手であったのは事故前から変わらない事実であることは、
自分の鼓動が異常じゃない速さで教えてくれていた。
とりあえず『いつもの』と頼まれたのはメロンソーダーだった。
確かに私の好物だ。彼・・・睦月さんの前にはアイス珈琲が置かれていた。
メロンソーダーを飲みながら彼の話を聞き続ける。
確かに憧れていたしいつかは・・・と思っていた彼が実はすでに恋人状態だということ。
まさに今の私には信じられない状態だった。おもわず頬をつねってしまうほどに。
『痛い。』
『ひどいなー俺のこと忘れてるなんてさー』
『ごめんなさい・・・。』
『頬つねって痛かったみたいだね?夢じゃないって信じてくれた?』
と気さくに笑う睦月さん。
やっぱりかっこいい・・・。
彼の話によるとよく放課後はここでお茶して他愛もないことを話して過ごしていたようだ。
休日には買い物に行ったり、いわゆる普通の学生のお付き合いをしているらしい。
彼の話を聞いても記憶はまだ戻りそうにない、彼の提案に乗ってみれば思い出せるかな。
彼の提案。『事故前と同じように過ごしてみない?そしたら思い出すこともきっとあるはず。』
その提案に同意を示すと睦月さんはとりあえず時間も遅くなってきたから今日は1箇所だけね。
と店を出てその場所へと私を連れてくれた。もちろん手は繋いだ状態で・・・。
そこはただの小さな公園だった。
ちょっとした遊戯がおいてあるだけの公園。
でもどこか記憶にひっかかる・・・きっと彼とよく来た場所なんだろう。
『ここがねー。二人でよく放課後過ごした場所なんだよ。』
やっぱりよく来ていた場所だからひっかかったのだろう。
『・・・なんとなく覚えてるような気がします。』
彼と過ごしたというよりはこの場所に記憶がある。といったほうが正しいのだろう。
『よかった。だってここは凪が教えてくれた場所だからねー。
初めて凪が着たい場所って連れてきてくれたんだよ。』
ブランコに乗りながらここから見る夕焼けがきれいなのだと教えてくれた。
それもそもそもは私が教えたことだったそうだけど・・・。
公園の時計の針は19時を知らせていた。
そろそろ帰ろうと彼はまた手を差し出してくる。
もうすぐ家の前だ・・・いつもこうやって彼は送ってくれていたのだろう。
『おやすみ また明日。』と言った後、不意打ちにおでこにkissをして彼は去っていった。
おでこに残った彼の感触を感じながら家のドアを開いた。
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