影響を受けたとか
感化されたとか
誰も彼もが
責任転嫁

それに心が響いた時点で
もう、それは
自分の中に欠片として
存在していたのだと
何故気付かない

人殺しの部屋から
人殺しの本が
見つかって
変態の部屋から
変態じみたゲームでも
見つかれば
それらが持つ影響力を
大人達は論議する

感化
影響
侵食
狂気

そんな方程式を
信じているのか


くだらない

それよりも何よりも
まず
論議の始発点は
事件を起こしたことよりも
物品の問題点なんかよりも


それを手にとった
性質に


書くのは自由だ
作るのは自由だ
読むのも自由だ
遊ぶのも自由だ


だけど


読まないのも
遊ばないのも
自由なんだよ


触れてみて面白いと
狂った物語に沈んだ時点で
きっと
その人はとうの昔に
狂っていたんだ


だから


本がどうとか
ゲームがどうとか
漫画がどうとか
映画がどうとか


そんなの


全て今更だ

だから
やめておけよ


感化されたとか
影響されたとか
くだらない
責任転嫁
作り手が可哀相に
なるくらい
安っぽい責任転嫁


問題なのは君の頭で
最初から最後まで
君の頭で
その責任を
他者になすりつけるのは
寒々しいほど
馬鹿げたものだとは
思わないかい？


あれを手にとったせいで
運命が変わった
なんて
くだらないことは
言わないでね
運命が決まったとしたなら
きっとそれは
君が生まれる前から
始まってたんだよ

これを聞いても
まだ被害者面かい
今度は運命を責めるのか
だったら君は
そこまでだ
終わるのを待つ
生きる屍


責任転嫁は楽ですか


さよならさよなら
吐き気がするよ
僕はこれで退散しよう
人のせいにも出来ない
臆病な僕は
今日も一人で
十字架を背負って
君みたいな人間を見下して
生きていこう


壊れた僕から
壊れたい君へ
最初で最後の鎮魂歌

そこにいたいなら
いつまでも
好きなだけ止まっていろ
止まりたいだけ
止まって
責めたいだけ
責めて
狂いたいだけ
狂って

僕は行く
壊れながら
削れながら
崩れながら
ぼろぼろになりながら

全てを背負って
進むよ

さよならさよなら
吐き気がするよ
さよならさよなら
愚かな隣人