帯人の家はとても綺麗だった。
いや、綺麗と言うよりはモノが無いと言うべきか。帯人の家の中を見まわってみたがテレビすらなかった。
「グミは向こうで座って待ってて。僕夕食作るから」
「あ、ありがとー…って、あ!?」
「……何?」
「あたし…着替え持ってきてない…」
グミは自分の体を抱くように手をクロスした。
さすがに無節操なグミでも制服のまま一日中過ごすのはさすがに無理そうだ。
「そっか。…ちょっと待ってて」
そう言って帯人は自分の部屋に引っ込んでしまった。
しばらく待っていると中から黄緑色のパジャマを持った帯人が現れた。
「これ」
「え?」
帯人がグミの胸にパジャマを押し付けてきた。
「貸して……くれるの?」
「元々無理を言ったのはこっちだからね。さっき風呂沸かしたから入った後にこれ使って」
「…ありがと」
なんだか色んなことを全部やってもらって申し訳ないような気がした。
「……ごめんね、色々やってもらっちゃって…」
「別に全然構わないよ。ね?」
「…………あり…がと」
帯人にぽんぽんと頭を触られてグミはゆっくりと風呂場へ向かった。
*** ** ***
「ふはぁー」
グミは満足しきった体でベッドにより掛かった。帯人の料理が以外とおいしくてなぜだかとっても癒された気がする。
「ふへへ、今日はありがとねぇ」
自分でも気持ち悪いほどの笑みを浮かべ、帯人を見た。
「……………そっか」
「……?」
どうも帯人の様子がおかしいような気がしてグミは帯人に近づいた。
「……帯人?ねぇ、どうしたの…」
ピリリリリリリリ。
携帯の着信音が部屋に鳴り響く。
その音に帯人は肩をビクッと震わせて頭を抱え込んだ。
その仕草があまりにも不自然なのでグミは帯人の背中にそっと触れた。
グミが触れた帯人の体は怯えた犬の様にあまりにも強く震えていた。
「!!…帯ッ…」
「グミ」
帯人が頭を少しだけ上げて虚ろに震える瞼を持ち上げてグミを見た。
「……携帯の…メール、見てくれない?」
「え?」
グミはテーブルに置きっぱなしだった携帯を見た。
「別に、いいけど…」
グミは携帯に手を伸ばした。
…別にそんな変なメールでもないと思うけど…
そんなことを考えていたグミの思考回路が止まった。
その文面は。
〔そこにいる女、誰?〕
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