――ボクは生まれそして気づく。所詮ヒトの真似事だと知ってなおも歌い続く永遠の命「VOCALOID」
「マスター、次は何を歌いますか?」
「じゃあ、次はこの曲をお願い。」
「わかりました、マスター。」
―ボクは「VOCALOID」の初音ミク。歌うために創られた、人形。でも、マスターはそんなボクをヒトと同じように接してくれた。優しくてボクの大好きなマスター。
「ミク姉、一緒に歌おっ。ココってどうゆう風に歌うの?教えて。」
「駄目だよ、リン。ミク姉、今から歌うみたいだから。後からにしなよ。」
「大丈夫だよ、一緒に歌おう。…いいですか、マスター?」
「うん、いいよ。俺も聞いてみたいし。さっきの曲は後で歌えばいいから。」
「はい、ありがとうございます。」
―こんな幸せな時間が永遠に続くと信じていた。でも…、
「あれ?」
「どうした、ミク?」
「なんかこの音が出なくて…。」
「ん~、どうしたんだろう?疲れちゃったのかな?」
「マスター、ボクはヒトじゃないですよ。疲れたりなんか…、」
「駄目だよ、ミク。自分のことをそういう風に言わないの。ミクだって、ヒトと同じように嬉しく感じたりするでしょ。」
「はい…。」
「だから、疲れたりもするんだよ。今日は休みな。」
「…わかりました、マスター。」
―そうだよね。休めば直るよね。
「今日も出ない?」
「…すみません、マスター。」
「いいよ、無理しないで。」
―次の日も直らなかった。だんだん出せる声が少なくなっていった。その次の日も、その次のその次の日も直らなかった。声を出すのも苦しくなってきた。
「ミク…。」
―マスター、そんな辛そうな顔しないでください。
「マ、マスター…。」
「!ミクっ、」
―ホントはまだ歌っていたい…、でも…、
「ボクハ…少シダケ悪イこニ…ナッテシマッタヨウデス…。マスター…ドウカ、ソノ手デ…終ワラセテクダサイ…。マスターノ辛イ顔、モウ見クナイカラ…」
「何言ってるんだよ、ミクっ!直るから、大丈夫だからっ!」
―駄目だよ、マスター。自分の最期くらいわかるから。せめて、この歌を…
「♪~…」
「ミクっ、駄目だよ!歌ったら、」
―最期は笑って終わりたいから…、
「ミクっ、ミク!」
「アリガトウ…ソシテ…サヨナラ…」
―マスターの声が聴こえなくなってきた…、視界がぼやける…。マスター、あなたのことは絶対に忘れないよ…。大好き…。
――深刻なエラーが発生しました――
――深刻なエラーg…――
コメント1
関連動画0
ご意見・ご感想
禀菟
ご意見・ご感想
よくあれだけ多い歌詞をこれだけにまとめたよね!!
今からそっち向かうから文才をあげる用意よろしく!!(ウソ。
次作も期待してますぞ♪
2011/04/05 11:30:14