波音入る電車の汽笛が鳴った
ふと目が覚めて乗り過ごした
小さなため息と ぼんやりとリラの香り
降り立つ駅には にこやかな二人のなごり
きみ住む小樽を望むカフェで はじけるランチ 電車を見つめて
アオバトの声しない春先の 凛となびく風は 優しい匂い
永遠でいた 夏の海辺のように さざ波だけが包むような
あたたかいこのときを 大切にできるなら どんなことがあっても
きっとかなえられると
縮こまる17時の薄闇で きみよ誰そ わからなくなる
雪の下に埋もれた街にとどく わたし ひとり 歩を止め つたう泪
波音入る駅に電車が来ると
忘れたはずの君に問うた
「初めてこの駅で逢ったこと 覚えてますか」
答えはないまま 閉まるドア
さよなら 永久に...
泣きたくはなかった にじんだある晴れた真昼に
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