夜詠子

ちっちゃなコトが　出来なくたって
甘えるコトが　下手っぴだって
風になって(い)くコトばかり(さ)
気に病まないでいいんだよ
痛いの痛いのは吹き飛ばしてみせるから
今日は二度寝でもしちゃおっか
またやっちゃったに笑っちゃうんだ
君と一緒だからさ
焦がしちゃったパンケーキだって
なんだか美味なんだよ...

A

無意識に線引きする人間関係

切り離されないだけマシなんだろうけどさ
キュートな
あの子のまん丸おめめ欲しいな
もっと　ちゃんと　よく見たいな
B
叶わない願い　心締め付けていく
滲(し)み出したドス黒い液で
塗(まみ)れてただれてしまった私に
一体何の価値があるというの？...

蕾のまま産み落とされて

どうにか形を繕うけど

したいことは見つからないし

大した役にも立てないのです


街ゆく影は忙しなくて

ついて行くだけで精一杯で

独りぼっちは慣れっこなのに

ぽっかり浮かぶ空白感


見透かせてしまいそうな純情な視線

よごれてしまったこの身体では...

月並みな言葉で
君を表せはしないような
ああ
色づいた日々にまた夏の足音は遠くなっていく
花瓶の花が散った空は
変わらずに曇りのようで
風の過ぐ先に君がいた
晴れ間さす声がした
時間は止まっていたような
陽だまりみたいに笑っていて...