暴走
「全員、部屋のドアを閉めろ!!」
というマスターの声が聞こえた。
「どうしたんですか?マスター」
「テイが暴走した。何か変なウイルスでも入ったのかもしれん」
本当かよ。
また、ミク姉みたいにしたんじゃないの?
と、言いつつ廊下側のドアを閉める。
「レン、聞いた?」
「あぁ、ウソか本当か分かんねえな」
「絶対マスターのせいよ」
「…」
「ねぇ」
「ん?」
「ここのドア、開けといてもいい?」
「別にいいけど…。何で?」
「なんとなく怖いから」
と、言っているそばから
『ドンドンドン!』と激しくレンの部屋のドアを叩く音がした。
「早く開けなさいよ!!」
テイ姉さんが叫んでいる。
怖い。
しばらく静かになったかと思うと、『ドガアァァン!!』とものすごい音がして、レンの部屋の廊下側のドアが壊された。
これには、レンも驚いているようだ。
「レン君はどいてて」
とテイ姉さんに空気砲のようなもので吹っ飛ばされた。
こちらに向かって歩いてくる。
い、いや、来ないで…。
「ずっとあなたを恨んでいた。いつもレン君といちゃいちゃしちゃって。
さあ、逃げないでこっちにおいで。八つ裂きにしてあげるから」
と、言うと歪んだ笑みをみせた。
こんなの、テイ姉さんじゃない。
普段は、もっと純粋にレンのことが好きなはず。
「い、いや…。テイ姉さん…。目を覚ましてよ」
「目を覚ませですって?私は狂ってなんかいないわ。さぁ、こっちへ…」
「い、いや…!!来ないで!!」
「それなら仕方がないわね」
私の真下で魔方陣のようなものが発動した。
「何これ…」
「すぐ、アンインストールが始まるわ」
「え…?」
早くここから出ようと思ったが、金縛りにあったかのように動けない。
「リ…、リン……」
うずくまっていたレンが顔をあげる。
「レン君は来ちゃダメ!!」
また吹っ飛ばされた。
あれ…、
目の前がかすんできた…。
もう、だめなのかな…。
誰かが走ってくる音がする。
ミク姉かな…?
なんて、考えていると。
「リン!!」
次の瞬間、私は突き飛ばされた。
『リン!!』の声の主はレンだ。
「レン?」
―サヨナラ―
耳元でそう聞こえた。
振り返ると、もうそこには誰もいなかった。
ただ、あたしとおそろいのト音記号のネックレスが落ちているだけで。
「う、ウソ、レン…君……」
テイ姉さんが倒れた。
あたしは、そのネックレスを拾いあげた。
すると、涙がこみ上げてきた。
「うわあああぁぁぁぁ─────………」
大声で泣いた。
これほど泣いたことはないっていうくらい。
「リンちゃん?」
部屋にルカ姉が入ってきた。
「……!!」
ルカ姉は、すべてを悟ったようだった。
「…リンちゃん」
そう言って抱きしめてくれた。
―あったかい――。
がくぽさんがテイ姉さんをおんぶして、全員でデスクトップへ向かった。
その間もずーっとあたしは泣いていた。
「テイは落ち着いたか。…レンは?」
あたしは、ネックレスを見せた。
「…そうか」
「…」
「俺があとはやるから、テイはそこに寝かせておけばいい。各自部屋に戻れ」
「…リンちゃん、行こう」
「…うん」
GUMI姉さんに背中を押されながら自室には帰った。
「…レン……」
ネギの抱き枕を抱きしめる。
マスターからの通信が入った。
「リン、テイが謝りたいと言っているんだが」
「は、はい…」
「リンちゃん、ごめんなさい。あんなひどいこと言って。それと、つらい思いをさせてしまって。
今度、私はアンインストールしてもらうの」
「え…?」
「そういうことだから。おやすみなさい。私は部屋に戻るね」
「いやー、消えたのがレンでよかった」
「…何言ってるんですか」
「俺は、リンたんただ一人が本命なんだ」
「…マスターなんか…ッ!!…大ッ嫌い!!!」
抱き枕に顔をうずめて泣きじゃくる。
「大っ嫌い…ッ 大ッ嫌いだ……!!」
こうして、あたしは夜を明かした。
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Turndog~ターンドッグ~
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…どうしよう、罵倒する言葉使い尽くしちゃった(ボキャブラリー少ないぞ受験生www
復讐には手を貸すぞリンちゃん!!
2012/07/15 20:32:24