茜色、お願い。
 これ以上、誰かの未来を壊さないで――



≪アヤノの幸福理論 3【自己解釈】≫



 私は気づいたら、学校の屋上にいた。

 夕日がとても綺麗だった。

「――これ以上、誰かの未来を壊さないで」

 試験用紙を折り紙のように使って鶴を折る。勿論、試験用紙は私ので、幾つか持ってきたものだ。

 折っていくうちに――私の目からは、涙が溢れていた。

 もし、赤い目が私だとしたなら、誰かの未来を救えることが出来たのだろうか。


 ――『もし』だなんて、いらないね。


 今から始めるのは、小さな作戦だ。

 不器用で、情けない、独りぼっちの作戦。




 **




 ――私が消えた、あの日の秘密組織は。



 ――ちゃんと笑って、暮らせているのかな。



 ――きっと私は怒られちゃうなぁ。だって、約束を破っちゃったんだもの。



 ――だけど。








 ――ちゃんと『お姉ちゃん』になれたかな。




  **



 あの好きだった言葉を、思い出してみよう。

 『幸福』ってなんだか不思議だなぁ。

 だって。

 明日のことも、好きになれるんだから。



おわり。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

アヤノの幸福理論 3【自己解釈】

終わりました。

アヤノが愛おしく思える。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm20671920

閲覧数:1,611

投稿日:2013/04/22 20:59:33

文字数:513文字

カテゴリ:小説

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