1A
ひとつ 人世(ひとよ)の恋心を舐(ねぶ)り
ふたつ 不埒(ふらち)な愛欲三昧(あいよくざんまい)
みっつ 醜い妾(わたし)に棲(す)む鬼を
殺してください 貴男(あなた)の情けで

1B
焦がれ焦がれては 灰と毀(こぼ)れ落ちてく
皓(しろ)さなど 無垢と呼べぬでしょう

1S
山桜(やまざくら)咲け 果敢(はか)ない願いがあるのだろう
血飛沫(ちしぶき)に染めて 夜這(よば)えよ夜這(よば)え
徒花(あだばな)にさえ 消えない想いがあるのです
冷たい両掌(りょうて)で 奈落に堕ちて逝(ゆ)く


2A
ひとつ 独り寝の體(からだ)持て余し
ふたつ 深き夜(よ)の愁(うれ)いに濡れて
みっつ 亂(みだ)れ哭(な)く淫(みだ)らなる鬼を
退治(たいじ)てください 愛してください

2B
遁(のが)れ遁(のが)れても 擒(とら)えられてまた
幾つもの 罪を累(かさ)ねてく

2S
沖(おき)つ風吹け 海神(わだつみ)の涯(はて)の其(そ)の聲(こえ)に
耳を清(す)ませたら 夜離(よが)れよ夜離(よが)れ
朧月夜(おぼろづきよ)の 見えない星は疾(と)うに消えて
明けの霄(そら)だけが 知らずに燃えている


此(こ)の騙(かた)りの 此(こ)の妾(わたし)は
何処(どこ)で生まれ 何処(どこ)に売られ
誰に好かれ 誰と離別(わか)れ
忘れられて 死んでゆくの

3S
問わず語りの 身の上話は止(や)めにして
さぁさ飲(や)りましょう 唄えや唄え
それでも何故か 泪(なみだ)は頬(ほほ)に零(こぼ)れ落ちて
白刃(やいば)振り翳(かざ)す 世迷えよ世迷え

4S
山桜(やまざくら)咲け 果敢(はか)ない願いがあるのだろう
血飛沫(ちしぶき)に染めて 喚(よ)ばえよ喚(よ)ばえ
徒花(あだばな)にさえ 消えない想いがあるのです
痩(や)さしい両掌(りょうて)で 奈落に堕ちて逝(ゆ)く
今宵




〈読み仮名〉


1A
ひとつ ひとよのこいごころをねぶり
ふたつ ふらちなあいよくざんまい
みっつ みにくいわたしにすむおにを
ころしてください あなたのなさけで

1B
こがれこがれては はいとこぼれおちてく
しろさなど むくとよべぬでしょう

1S
やまざくらさけ はかないねがいがあるのだろう
ちしぶきにそめて よばえよよばえ
あだばなにさえ きえないおもいがあるのです
つめたいりょうてで ならくにおちてゆく


2A
ひとつ ひとりねのからだもてあまし
ふたつ ふかきよのうれいにぬれて
みっつ みだれなくみだらなるおにを
たいじてください あいしてください

2B
のがれのがれても とらえられてまた
いくつもの つみをかさねてく

2S
おきつかぜふけ わだつみのはてのそのこえに
みみをすませたら よがれよよがれ
おぼろづきよの みえないほしはとうにきえて
あけのそらだけが しらずにもえている


このかたりの このわたしは
どこでうまれ どこにうられ
だれにすかれ だれとわかれ
わすれられて しんでゆくの

3S
とわずがたりの みのうえばなしはやめにして
さぁさやりましょう うたえやうたえ
それでもなぜか なみだはほほにこぼれおちて
やいばふりかざす よまえよよまえ

4S
やまざくらさけ はかないねがいがあるのだろう
ちしぶきにそめて よばえよよばえ
あだばなにさえ きえないおもいがあるのです
やさしいりょうてで ならくにおちてゆく
こよい



ライセンス

  • 非営利目的に限ります

夜叉と桜

ネイルさんの歌詞募集(http://piapro.jp/t/C2Od)への応募用です。

1B「灰と毀(こぼ)れ落ちてく」はあえて文字数多めにしてますが、入りきらない場合は、「灰と毀(こぼ)れ落ちる」に代替可能です。

>作曲者様
譜割、解釈その他ご不明の点があれば、お気軽にご連絡ください。
歌詞の変更も承ります。VSQでのやり取りも可能です。

※「前のバージョン」に、読み仮名無しの歌詞を置いてあります。

閲覧数:243

投稿日:2013/03/14 02:15:50

文字数:1,456文字

カテゴリ:歌詞

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