ポスンッ…

ピアノに打ち付けられた直後だからだろうか?今回はやけにやさしく本から床に打ち付けられた気がする。

「帰ったかね?」
僕が声のした方へ顔を向けながら立ち上がると、そこに立っていたのは扉から覗くように顔を出している館長の男だった。

「ええまぁ…」
日が落ち暗くなった部屋…
何故だろう?本の中にかなり長い時間いたはずなのに、ついさっきまで館長の男が直ぐ傍にいたような気がしてならない。僕はそこで本の中で出会った真犯人の言葉を思い出す。

―お前がここまで来たって事は既に俺に会ったことがあるはずだぜ?―

・・・まさか!?
僕の考えがそこまで達した時にには館長の男は既にそこにいなかった。僕が気配を感じて振り返ったときには、既にナイフを振りかぶった男がそこに立っていた。

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私は床に転がる骸を引きずる。これで何人目だろうか?私が手にかけてきたのは?
あの事件の後、私は首尾よくパーティー参加者の財産を奪取し証拠隠滅のためにこの屋敷を土地ごと買い取った。勿論第三者を装ってだ。しかし、いくら富を得ても私の殺人衝動は収まることは無かった。
この屋敷に事件の調査に訪れる者を殺すうちに、私は自らに嫌悪感を感じるようになっていた。事件から四半世紀経ったころには、私はすっかり抜け殻のようになっていた。紅茶と静寂のみを愛するそんな物になっていたのだろう。
それでも、遠慮なく人はやってきた。事件の真相を知ると言って…
この物語を完結させるためには、関わった全ての人間が死ななければならないと彼らは知っていたのだろうか?
フッ…完結ではなく解決したい、だと?
…しかしこのナゾは誤った真実が多すぎて君達にはとても解くことが出来ないだろう?
さあ、もうお帰り…
どうせ解けてしまってもこうなるだけだ。そう言って私は今まさに地下室へと引きずっている探偵を顎で指した。
ナゾが解けなければ君達はまだこの話から出て行けるのだから…


完結…?






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私がそういった途端、君達は血相を変えて屋敷を飛び出して行ったな。ただ一人君を除いて…
直後私の左胸はどす黒い色の液体で染められていた。

バタッ…

物語はこれで完結したのだった。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

犯人の物語―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(エピローグ)―

なひなた春花さん(http://piapro.jp/haruhana)の名作ナゾトキ(http://piapro.jp/t/1XmV)・ナゾカケ(http://piapro.jp/t/WzK5)・ぼくにピアノを弾かせて(http://piapro.jp/t/Trb-)をまとめて小説にしちゃった物です。

まず皆さんすみません。途中から自己解釈することも放棄した駄目作者ですm(_ _)m
ここまで読んでくださった方には本当に申し訳ない尻すぼみ小説です、はい。
僕は長編書いちゃ駄目ですね(^^;)
次回はネタとかにしようかな…

閲覧数:341

投稿日:2011/06/05 14:12:36

文字数:1,042文字

カテゴリ:小説

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