西から吹く風 貴女を呼ぶ風

もうすぐ雪が解けて消えて 命芽生える春になるでしょう
次の桜を迎える頃 私は一人泣いているでしょう

誰にも貴女を渡したくなくて
時間も定めも裏切ったこの手には刃

どうせ散るならと抱かれた胸の中一片
咲く花は赤く紅く 私の手を伝って
黒く変わるまで流れて浸み込んで薄れて
「ごめんね」を言い訳にし 微笑んで「さようなら」だなんて



「連れて行ってよ」ねだってみても 首を振るだけ応えてくれない
「ねえ行かないで」泣いてみても うんと言わないいじわるな貴女

冷たく凍える白い指先は
私の心も真っ白に凍らせる刃

誰の手でもなく私が愛おしい貴女へ
押し付けたエゴイズムが頬を濡らし零れた
黒く染まる手に一夜のエンゲージリング
過去になる記憶の中何時までも安らかな微笑み



届かぬ祈り虚しく重ねても 病が貴女を蝕んで連れて逝く
「言葉も心も失うのならば」 最期に捧げる乞い願う貴女への刃

貴女の温度が遠ざかる 優しい声が遠ざかる

どうせ散るならと抱かれた胸の中一片
咲く花は赤く紅く 私の手を伝って
黒く変わるまで流れて浸み込んで薄れて
「ごめんね」を言い訳にし 微笑んで「さようなら」

誰の手でもなく私が愛おしい貴女へ
押し付けたエゴイズムが頬を濡らし零れた
黒く染まる手に一夜のエンゲージリング
過去になる貴女だけが何時までも安らかに笑う

西からの風に攫われた想い
流れゆく雲に残された私





・読み

にしからふくかぜ あなたをよぶかぜ

もうすぐゆきがとけてきえて いのちめばえるはるになるでしょう
つぎのさくらをむかえるころ わたしはひとりないているでしょう

だれにもあなたをわたしたくなくて
じかんもさだめもうらぎったこのてにはやいば

どうせちるならとだかれたむねのなかひとひら
さくはなはあかくあかく わたしのてをつたって
くろくかわるまでながれてしみこんでうすれて
ごめんねをいいわけにし ほほえんでさようならだなんて



つれていってよねだってみても くびをふるだけこたえてくれない
ねえいかないでないてみても うんといわないいじわるなあなた

つめたくこごえるしろいゆびさきは
わたしのこころもまっしろにこおらせるやいば

だれのてでもなくわたしがいとおしいあなたへ
おしつけたえごいずむがほほをぬらしこぼれた
くろくそまるてにひとよのえんげーじりんぐ
かこになるきおくのなかいつまでもやすらかなほほえみ



とどかぬいのりむなしくかさねても やまいがあなたをむしばんでつれてゆく
ことばもこころもうしなうのならば さいごにささげるこいねがうあなたへのやいば

あなたのおんどがとおざかる やさしいこえがとおざかる

どうせちるならとだかれたむねのなかひとひら
さくはなはあかくあかく わたしのてをつたって
くろくかわるまでながれてしみこんでうすれて
ごめんねをいいわけにし ほほえんでさようなら

だれのてでもなくわたしがいとおしいあなたへ
おしつけたえごいずむがほほをぬらしこぼれた
くろくそまるてにひとよのえんげーじりんぐ
かこになるあなただけがいつまでもやすらかにわらう

にしからのかぜにさらわれたおもい
ながれゆくくもにのこされたわたし

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

血のwedding night

グルーエンさんの曲http://piapro.jp/t/N5eo

病に侵された恋人を、病死する前に自分の手で殺す少女の歌です。
百合です。
サビで悲痛に泣き喚くような、というものをイメージしました。

閲覧数:254

投稿日:2015/03/17 17:24:14

文字数:1,363文字

カテゴリ:歌詞

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