「ルキ…貴方までも…」
ルカは目の前に居るルキを凝視する。
彼はルカの従兄弟で、ルカともとても仲が良かった。
【君達が悪いんだよ。あの御方に逆らうから、この世界に逆らうから】
「貴方は一体何が不満でこの世界に居るの?」
ルカは冷静を保ちつつ、ルキに問いかけた。
【居るから居るんだよ。何が不満?じゃあ逆に問うけど…。君達こそ、この世界に何か不満でもあるのかい?】
「…」
【魔法も使える、自分達を縛るルールも無い。皆が皆幸せ…。誰もが夢見た魔法の世界なんだよ!ハハッ君達は本当に馬鹿だなぁ…。こんな幸せを、自ら手放そうとしているなんて…】
ルキは狂ったように笑う。
その瞳は曇っていて、ルカは「そんな…」と呟いた。
「ルキ、貴方…。私だって…本当は…あんな世界…」
【やっぱり、そうなんだね】
ルカは、ルキのその言葉を聞き、気付いてしまった。
これは、自分の本音を探る罠だったのだと。
【今からでも遅くは無い、あんな小娘達に加担するまでも無い。ルカはこっちに居るべき存在なんだよ。その体の適合性もかなり高いんだよ。さあ、こっちに来なよ…ルカ】
ルキは手を伸ばす。ルカはその手をとり…。
「残念ながら、私は、貴方とは行かないわ。逆に、貴方が私達についてきたらどうなの?ルキ」
ルカは、その手を引っ張った。
そして、ルカはルキを抱きしめた。
ルカの足元に魔方陣が表れる。
【…!?】
「貴方はどうしたいの?…"貴方の心、覗かせてもらうわ"」
ルカがそう言い放った瞬間、ルキは頭を抱えだした。
【うう…うわあああ…っ!】
ルキは抱きしめられていたルカの腕を振り払い、苦しみだした。
「少々強引だったかしら…。でもね、何か不満があったなら誰かに言いなさいよ!貴方の近くには沢山の人がいたじゃない!孤独じゃないだけ、まだましなのよ!そして…この世界に逃げようとしないで!この世界は所詮夢よ!今でも現実の世界には貴方も私も…そして、ミクちゃんやリンちゃん、レン君クオ君だっているのよ!現実世界では、今でも私達の事を心配して、帰りを待って居る人が居るのよ!!!!」
(夢で見た…。イアちゃんやカルちゃんやゆかりちゃんが私を、ルキを心配している姿を…)
ルカも、ミクと同じく、現実の世界で自分の知り合いが自分達の心配をしている夢を見たのだった。
*******************************
『ねえ、ゆかりん…。ルカ姉さんやルキ兄さんの意識…戻ってくるの?』
赤い髪の少女はとなりにいる薄紫の髪をした少女に問いかけた。
『…わからないです~…。でも~…きっと~戻ってくるって思いますよ~』
ゆかりんと呼ばれた少女は、目の前のベッドに眠っている女性と男性を見つめて言った。
その二人は、ルカとルキらしい…。
『ゆかりもカルも…ルカ姉さんやルキ兄さんの心配をするのも良いですが…私達だって、いつああなるか分からない状況らしいんですよ…。自分達の心配も、しなくてはならないんですよ…』
赤い髪の少女―恐らくカルという少女であろう―の隣に居る、白髪の少女は、二人に言った。
ゆかりとカルは、少し頷いて、その場を後にした。
その3人は、ルカとルキのいた孤児院の子供達だった。
続く
夢の魔法世界【帰りを待つ世界】
何時振りの更新なんだろう…これ?多分っていうか絶対見てる人いないし忘れ去られてるよね?
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