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「私の夢は指揮者でした」
若き君が言ったから
「私がそれを引き継ごう」
握った手は落ちた
コンクリートには 汗が染み込んだ
繰り返した夢は 八分休符の中に
天才ならばと諦めかけてなお
「約束」に急かされる
あぁ 私が怖いのは
いつか朽ちる生きた証...コンダクター
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出席率 皆勤賞
何で縛られてるんだっけ?
ああそうだ 未来のため
自分に言い聞かせて
常識と 法則と
何で従ってるんだっけ?
そうだった 生きる為
つまんないとは知りながら!
退場するゲートの直前
握った右手が震えた...ナンセンス・パラベラム
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死にたかった
仲間も 助けもなくて
死にたかった
引き裂き また引き裂いた
手首に 押しつけた剃刀が
「臆病者」 って嗤ってる
飛び越え ようとした柵が
「お前じゃ無理」 って嗤ってる
不透明な青藍の森
私はいつまで 苦しめばいいの...死ぬってコト
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絵筆は無くなった 暗い空に呑まれて--
伸ばした右手は空を切る
何も 掴めない
踏み出した足は進まない
何も 無いから
世界の端に生まれた
命 無意味に散ってゆく
空には光る一番星 Ah・・・
恐る恐る前を向く--
今目を開けた 世界は無視した...今≧その先に
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私は時を記録する者
懐中時計のつくも神
今日は私が記録した
人間(ヒト)の話でもしましょうか
雨が降った夜だった
彼は打ち拉がれて
私を洗面台に置いて
手首を切った
赤い血の雨が降る
彼は力の限り叫んだ...懐中時計
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一番最初の件名は
『メールしてみた』だったよね
あれからもう一年経って
ボク達は変われたのかな?
メールアドレス 人づてに手に入れた
やることも無いし 少しメールしてみよう
件名の欄に 打ち込んだ文字
『メールしてみた』 取り敢えず送信
返ってきた文を 見るだけで
画面の奥の 君が...件名-Subject-
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終わりがあるから 進むんだ
始まったから 止まるんだ
その全機能を失う前に・・・
けだるい朝 目が覚めた昼
自己嫌悪に 眠れない夜
歩く道は 綻びだらけで
目の前には 崖があった
産声上げたその日から
僕は始まったんだ
綻びだらけの道を 未知を...私行停止
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まるで人類の創世記(はじまり)のように
浮かび消えてく1と0(データ)
足元さえも朧気な
崩れかけた未来を歩くんだ
何もかも捨てられたらラクなのに
それは魂(ココロ)を捨てるというコト
一つしかない光を捨てるコト
迷い込んだは電脳世界
右も左もデータに包まれる
光の差さない電脳世界...デンノウ・シンワ