作品一覧
その他
オンガク
テキスト1
薄暗い廊下に、小さく足音が反響する。もう長いこと手入れもされていない絨毯が、その音を中途半端に吸い取った。 辺りを見回しながらゆっくりと足を運んでいた彼女は、ふと足を止めて壁に近づいた。日に焼け、黒ずんだ壁に、うっすらと亀裂のようなものがはしっていた。 小さくため息をついて、壁の汚れを手にして...
籠の音色
cettia@鶯