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一面に咲き乱れる白い薔薇の花は、月光に薄蒼く輝くようだった。
広大な庭の一角を占めるその花に囲まれて建つ、小さな東屋。
昼間は彼女のお気に入りの場所でもあるその床の上に、少女は壊れやすい細工物よりも大切に下ろされた。
硬い石の床を足元に感じながら、普段、見慣れない夜の庭を見渡す。
どんな花もその骨頂...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【カイミク番外編】 第5話
azur@低空飛行中
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「メイコは行ったようですね」
背後からひっそりと掛けられた声に、彼は静かに応えを返した。
「終わったか?」
「ええ。・・・少し歩きませんか」
音もなく横に並んだ影に、黙って頷く。
一斉に、歓声の聞こえたほうを目指そうと流れる人々の間を抜け、さりげなく人気のない方へと足を進め、彼らが向かった先は閉ざさ...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第25話】後編
azur@低空飛行中