ちゃぶ台のちゃぶの投稿作品一覧
-
『ダサいピアス』
月が綺麗だと漱石は訳した
冬に咲く花の名前を一つ覚えた
右手が寒いよと手袋を外した
伸ばした左手は今はポケットの中
街はホワイトクリスマス
いつかの二人は笑うだろう
街はホワイトクリスマス
どこかの二人は笑うだろう
ダサいピアスねと嬉しそうに怒った...ダサいピアス
-
『とわとも』
あなたが私に笑いかけるのは
あなたが私の友達だから
いつからだろう
つまらない期待をするようになったのは
彼女の相談
あなたするたび
別れろなんて思ってた
ひどいよね
ごめんね 好きになっちゃった...とわとも
-
『僕がいた街』
えんま通りを横切って
海までペダルを回す
砂浜でぽっぽ焼きも
焼けちゃうんじゃないかな
恋人岬はまだ早い
大人になってから
青海川まで二百円
電車くらい乗れるさ
今夜この空に花火があがるよ...僕がいた街
-
『おらがまち』
通り雨の匂いの残る路地裏は
靴音一つ やけに響く
リコロと勝手に名付けた野良猫は
あくびをしながら睨んでまた眠る
曲がり角にあった駄菓子屋のおばちゃんは
半年前に亡くなりました
二十年前通った学校は
今年廃校が決まったよ
私このまちを愛せない...おらがまち
-
『秋PM6時』
夏の終わりが笑って過ぎる
何も知らなかった昨日までなら
いつもの景色が違って映る
涙で充血したこの目のせいかな
長い黒髪が短く赤い
洋楽なんて聞くんだね
七つの子が響く街
この曲私好きなんだ
ボク色に染まれアキ...秋PM6時
-
『この子』
夏祭りへ行こう 仲間たちをかきわけ
最初に言われた 僕を探して歩きまわったと
気付いてなかったんだ
きみが誘ってくれた意味に
ただずっと 浮かれてただけ
好きだなんて言葉を
その日僕は用意していくんだ
はぐれたふりして
きみと二人きり...この子
-
『恋野ぴえ朗』
なぜ君は僕のところに来た
アイツとの話なんかは
君からも聞きたくはない
泣きながらアイツの話をしないで
諦めた思いが笑おうとするから
知ってるよ アイツからも聞いた
アイツも後悔してるよ
僕がそう言えばいいのか
嘘ついて君の心を奪えたら...恋野ぴえ朗
-
『みっくすじゅーす』
好きなのだ
だから叫ぶのだ
大好きだって叫ぶのだ
オレンジに向かって走る
キミを追いかけて
さよならと手を振ったけど
なんか ちがうんだ
初めてキミと会ったとき
あまいピーチみたいだった...みっくすじゅーす
-
『モノオモイニフケル』
空っぽのバス
透明人間が乗ってる
変わってく青
歩行者信号がウインク
片っぽの靴
くわえた子犬が去ってく
飽きっぽい夜
あくびをした月がおやすみ
また朝が来る...モノオモイニフケル
-
『Dear俺』
リセット セーブ クリアもない
死んだら GAME OVER
壊れたコントローラー
理不尽なゲーム
カーテンから漏れる光
あれから何年経った
画面の向こうでまた
新しいがはじまる
ほら王様は言うだろう...Dear俺
-
『バスケ部の先輩』
スリーポイントが決まる
ドヤ顔が可愛い
誰かと目が合ったのか
照れたように俯いた
彼氏がいるって聞きました
その人ですか
どうして好きなんですか
二番目だって気付きながら
頑張ってください...バスケ部の先輩
-
『パンチラ部のテーマ』
絶好の風 パンチラ日和
下校のチャイムが鳴り響く
学校の恥 家族の恥だ
そんな奴らが集まりました
よっしゃあアイツ勧誘するぞ
あそこで死にたい嘆いてる
一体何と戦っている
僕らの敵は見せパンだけさ
少年よ 屋上の下へ...パンチラ部のテーマ
-
『線香花火』
冬に線香花火
雪に落ちて溶かし消えた
夏に戻りたい
そんな願い事とともに
急にどうしたのも
何も答えず君は
遠く受話器の向こう
「夏祭り連れて行って」
白い浴衣姿...線香花火