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――――――――――私達は誰からも愛されなかった。
家族を失い、親戚にも疎まれた私たちは、全ての人間に忌み嫌われた。
唯一信じていた人間にも、あっさりと裏切られた。
だから……だから―――――――――――――――
救いようのないクズ野郎が、愛されている様を見るのは我慢がならなかったんだ。
~~~~~...四獣物語~魔蟲暴走編①~
Turndog~ターンドッグ~
「ぐあああ!!?」
「ぎゃあああ!!」
「こ……この化け物娘が!!」
村を出て数日後。流歌は数十人のチンピラに絡まれていた。
「グルルルルル……!!」
威嚇の唸り声を上げる流歌。しかしその顔には疲弊の色が見えていた。
(かれこれ50人くらい倒した……かな……? ……その割にはなんか減ってない……)
...四獣物語~魔獣少女ルカ⑥~
Turndog~ターンドッグ~
―――――どれくらいの時間がたったのか。
「……はっ!!?」
私は突然に意識を取り戻した。
「……ここは……?」
えっと、私どうしたんだっけ。
そうだ、確か村長と楽さんの話を聞いて、そのまま飛び出してきたんだ。
それで確か崖から落っこちて、身体が岩に突き刺さって―――――
「……――――――――――...四獣物語~魔獣少女ルカ⑤~
Turndog~ターンドッグ~
《――――――――――へえ、これは珍しい。こんな“得物”が手に入るなんてね…………》
――――――――――誰かが私の耳元でつぶやいている。
ぐぐ、と体を起こすと、そこには赤い髪の少女が。
私よりも少し年上ぐらいだろうか……二つに結った髪が渦を巻いている。
私が起き上ったことに気付いた彼女は、小さく嗤...四獣物語~魔獣少女ルカ④~
Turndog~ターンドッグ~
お母さんの葬式は、私と楽さん以外誰も出席しなかった。
楽さんが慰めてはくれたけど、正直心は晴れない。
私にとっては、お母さんが最大の心のよりどころだった。
虐められた時も、馬鹿にされた時も、いつだって慰めてくれたお母さん。
お母さんなしで、これからどうやって生きていけばいいんだろう……。
葬式が終わ...四獣物語~魔獣少女ルカ③~
Turndog~ターンドッグ~
「あっち行け! 化け物!!」
そんな言葉とともに、私の額に石が投げつけられた。
石を投げつけた少年たちは罵声を浴びせながら走り去っていく。
…………でも、反論はできない。
だって事実、私は化け物なのだから。
私の名前は流歌。性は―――――ない。この村では、相当裕福な家でなければ名字など与えてもらえな...四獣物語~魔獣少女ルカ②~
Turndog~ターンドッグ~
――――――――――どれほどの時が経っただろう。
私は再び意識を取り戻した。
暗い。何も見えない。でもなんだかいい香りがする。
次第に目が慣れてくると―――――何だか花の様なものが見える。どうやら棺の中のようだった。
《パァアア―――――――――――――――――――ア―――………》
突然クラクション...【カイトファン注意】四獣物語~昆虫少女ミク⑤~
Turndog~ターンドッグ~
《――――――――――起きろ。起きなよ》
……誰………?
―――――私はいったい、どうなったのだろう。
作業員に突っ込んでいって、突き飛ばされて、ショベルカーに思い切りぶつかったことまでは覚えている。
頭に凄まじい痛み、そして視界の周りに紅いモノが飛び散って―――――そこで記憶が途切れている。
ゆっ...四獣物語~昆虫少女ミク④~
Turndog~ターンドッグ~
その日の晩。
私は家に帰って、一人でぼ~っとしていた。
私は今一人暮らしをしている。両親は数年前に家にできたオオスズメバチの巣を自ら撤去しようとして、オオスズメバチの逆襲に遭い亡くなった。
まだ小学生だった私を、親戚は皆厄介者扱いした。『虫好きにろくなやつはいない』なんて言って。
何でも私が生まれる...四獣物語~昆虫少女ミク③~
Turndog~ターンドッグ~
《―――――バキンッ!!》
『あ痛ぁ!?』
後頭部にいきなり衝撃を受けて、私は思わず女の子らしくない悲鳴を上げてしまった。
振り返ると、男子二人がケタケタと下品な笑い声を上げながら逃げて行った。
「『会いたい』だってさ~!! 誰に会いたいのかね!?」
「や~い、キチガイチック―!!」
小学生か。
…...四獣物語~昆虫少女ミク②~
Turndog~ターンドッグ~
――――――――――『獣憑き』――――――――――
―――――あなたは、そう言った存在をご存じでしょうか。
私達の世界では、『獣憑き』と言えば動物などの力をその身に宿した、悪魔憑きの人間の一種―――ということになっています。
強力な獣の力を揮える代わり、その力の制御は非常に難しい―――――そのことか...四獣物語~プロローグ~
Turndog~ターンドッグ~