ブクマつながり
-
マウスを弄る音と、パソコンからの起動音が響く。
それと同時に響くのは、誰かの笑い声――
書きこまれたメッセージ。
それは往々にして、だれにでも見られるもの。
書きこまれるメッセージ。
書きこむのは彼女――「マトリョシカ」。
某掲示板内スレッド 【マトリョシカの呟き】より
1・ユーザー:マトリョシカ ...マトリョシカ【を、小説化してみた】
美亜 瑠璃
-
緑の森の奥深く
青い泉のほとりに
旅人が落としていった種
それがあたしだった
いつも誰か傍にいてくれていた気がするのに
この手を握っていてくれていた気がするのに
あたしはひとりぼっちだ
太陽は言った
「私達がいるじゃない」
泉は言った...イロトリドリノセカイ
sizuku_27
-
世界で一番おひめさま
君のこと僕はそう思っているけど?
その一
いつも空回りだけど頑張ってるとこ
その二
ちゃんとネタを歌いきるとこ いいね
その三
きみの一言は三つ以上怒られてからってとこ
気づいたら放っておけないよ なにかしたい!
べつに 面倒なんて思いやしないよ...ハクへの「アナザー:ワーストイズマイン」
(青夏)のれん
-
小さなカフェのテラスでカップを傾ける午後。目の前でルビーの色に輝く紅茶の香りを楽しんでいた深緑の髪の少女が顔を上げ、明るいエメラルド色の瞳を輝かせて、はにかんだ様に微笑んだ。
恐ろしいほどに整った幸福は、彼女にとってこれ以上に望むものなどないほどに満ち足りたときを与えてくれているらしい。
「大学...ある毒薬にまつわる物語1
あっく
-
煙突からたなびく煙。
自分たちの着ている黒い服。
彼女はもう、ここにいないのだと、改めて実感した。
**********
「ミク姉ぇ」
「なぁにリンちゃん」
「ミク姉」
「なぁにレンくん」
黄色い双子は私を腫れぼったい目で見上げた。
目の周りは赤くなっていた。私もきっと同様だろう。...最果て
氷灰
-
和んでください、ほのぼの兄弟デュオ。 ―――― うp主コメントより引用
この小説は、楽しい楽曲に定評のある(と個人的に思っている)はややPの作品『買い物がかり』へのリスペクト小説です。
リスペクトが遅すぎる? 分かってますよ、そんなこと……(泣)
素晴らしき作品に、敬意を表して。...【小説化してみた】 買い物がかり
時給310円
-
(プロローグ)
看板:『新装開店につき ホール係 1名募集! 時給・800円(昼食付き) ウェイトレスのお仕事です。元気な方 大歓迎! 担当:鏡音(店長)』
白い札:「準備中」
ピンクのタコを乗せた回転看板が店先にある喫茶店“LEO”の前に、ピンクの長髪の女性が一人立っていた。
女性:よしっ!、ここ...ようこそ!、きのこ駅前商店街へ! 第1話
enarin
-
世界で一番ダメな子かも
そういう愚痴まで聞いてくれるのね
その一
いつもと同じ泣き言も聞いてくれてる
その二
ちゃんと居酒屋朝まで いいの?
その三
あなたの一言は三つ以上愚痴を聞いてから
気づいたらわたしは甘えきりね ごめんなさい
自信 自分になんて抱いてないんだけど...ハクにデレさせた「ワーストイズマイン」
(青夏)のれん
-
かんかんかんかん。
非常階段を昇る音に、水を含んだスポンジみたいな頭を上げる。
カーテンを引き開ければ血みたいに真っ赤な夕日が見えた。
―――いや、血っていうか私の顔の色かな。
泣きすぎて真っ赤になった顔に触ってみる。少し冷たく感じる指が気持ちいい。というか、自分の惨めさと虚しさに一人で泣いたとかほ...私的炉心融解(下)
翔破
-
アーッハハハハハ
さあひざまずくがいい
むかしむかしあるところに
栄華を極めた王国の
闇の世に君臨するは
青き髪をした吸血鬼
白く美しき喉求め
今宵 闇に踊りましょう
赤く麗しき血に飢えて
鋭き牙は誰ぞ狙う...闇の王(悲恋版)
Mishika
-
どうして私は生きているの?
「ああッ、もう!」
私は腹立ち紛れにライターを地面に投げ付けた。
ライター?いいえ、役に立たないガラクタよ!火の点かないライターなんてホント使えない。
かんかん、と思ったより澄んだ音を立てて真夜中の路地をライターが跳ねていく。
その音にすら気分が悪くなって、私は地面に膝を...私的炉心融解(上)
翔破