タグ:般若の面
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何処とも知れない世界の中を、五つの人影がゆらゆらと歩んでいた。
「…さぎり」
ぽつ、と零された言葉にさぎりは薄く笑みを作る。
「なあに、うのか」
うのかは表情の読めない瞳でさぎりを見詰めた。
すんなりと伸びた白い足が歩みを止める。
「わざとだったのでしょう?…御若い方を引き込まざるを得なくし...五月雨と現 番外
翔破
異界を見ようと願うな。何故なら、それらは簡単に覗き見ることが出来るからだ。
<五月雨と現 下>
再びうのかやさぎり達と出会ってからというもの、海渡は毎日日暮時になると山に入っては彼等を探す日を続けていた。
それが未来や芽衣に心配を掛けているのだと知りつつも、足は何故か山に向く。
昼日中に街で...五月雨と現 下
翔破
・一応全部ボカロです。当て嵌めながら読んで下さい。
般若の面に、宿るは―――
<五月雨と現 上>
海渡は独り、夕時の雑木林の中を歩いていた。
山は怖い。みだりに入ってはならない。
彼の村でも、その近くの村でも、子供達はそう教えられて育つ。大人達はそう言って畏れる。
平野が人の里なら山は神...五月雨と現 上
翔破