村崎紺九

そう　あれは三日月の
浮かんでた朝ぼらけ
君を見送った日が
いまもここにある
文月（ふづき）　笹の枝(え)に
ひとつの　願い　こめて
今年で五色（ごしき）がそろって　揺れてる
砂子（すなご）が空に舞い飛んで〔い〕って
君に見えたら
私を思い出していて...

「Dearご先祖様
　はるばる来たね　何を思ったの
　あなたたちの願い　叶いましたか」
一面の荒野から　穴（ゲート）くぐって
透明なドームの中で見る夢は
なんて素敵なシルクハット
ウィットにとんだポエット
誰かかが燻らすシガレット
ビスケット入りのポケット
* 足並みそろえて　時代を円舞（ワルツ）...

俺は貴方に触れられないから
だったら俺なんかどうでもいいよ、傷付いたって……
ああ 見てよ
俺は今綺麗かな
そしたら貴方は来てくれて
俺のこと看ててくれるから、調子に乗っちゃうよ……？
ああ 来てよ
今ここで抱きしめて
世界中全時代、俺が愛するのは貴方だけ
貴方と、永久を共にするのは俺、のはずでし...

気弱なあたし 駄目だろか
素敵に歌う 夢はあれども
できないものは できないの
空けた酒瓶 マイクの代わりで
酔いにまかせて唸るだけ
それが「あたし」になっちゃった
ああ 空しい 虚しい moon on a sea blues
明けていく空 眺めつつ
あたしの足の 寝ぼけ千鳥を
そろそろ覚まして や...

目に映るもの
すべてを包み込む
この爪は削られて
あなたを傷つけないように
愛したい
その実 愛されたい
この爪を磨いで
この牙を剥いて
もう一度戦う準備を
たれもかれも知らない...

夢へと落ちた時に　君がいてくれたらいいのに
どんなにか　願ってもこちらの世界では会えなくて
ミューズが紡いだ　厳しい糸
この弱い小さな手に万能を手にして　今　彼方の君の指にふれる
ことなどない
夢から醒めた時に　君がいてくれたらどんなにいいか
あがいたり　もがくこともままならない世の中だ
ミューズが...