タグ「鏡音レン」のついた投稿作品一覧(4)
-
僕の方ももっと驚いていた。
「そんな。まさか」
僕は助手席の背もたれを乗り越えて後部座席に移った。
「ね。リンちゃん。もしかして、君。……死んだの?」
「えっ? 死んだって、私が?」
「うん」
「ううん。生きてるよ。どうして?」
リンはまだびっくりがおさまらない様子で、ゆっくり、小さな声で言っ...冬至のパレード (3) 了
-
Ⅲ.
また微かな音が聞こえたような気がした。それと同時に車内の気温が急に上がり、僕は思わず上着を脱いだ。
「ちょっと暑くてごめんね」
後ろから声を掛けられた。振り向くと、水色のワンピースを着た女の人がニコニコ笑って座っていた。
「メイコ先生」
僕は思わずシートベルトを外し、助手席で後ろ向き...冬至のパレード (2)
-
0―ⅰ.
十二月二十二日。彼は厚い雨雲の上にいる。彼の目には青空に投影された経線と緯線が映っている。冬至の太陽の縁がまもなく子午線に懸かろうとしている。彼は下を向き、雨雲の中を急降下する。
郊外の二車線道路を小型乗用車が走っている。車は路肩に止まり、運転席から男が出てくる。男は小降りの中、傘を差...冬至のパレード (1)
-
久しぶりの夕焼けに
僕はあの日を思い出したよ
レンガ塀の上に座って
僕は君を待っていた
空は黄色く 花壇の花は赤く
世界は幸せ色で 僕を包んでいた
今日の空の明るさに
僕の心は温まったよ
レンガ塀の続く道で
君が僕を見つけてた...世界は幸せ色で