放任主義の投稿作品一覧
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冷たい朝の凍った様な空気が
窓を開けて怒鳴り込んで来る
私は
そんな慌しさをぼんやりと眺めていた
ブーツを履いて鞄を肩に掛ける間
窓の外が騒がしくなる
私は
そんな慌しさをぼんやりと眺めていた
近づく季節の終わりなのにずっと何かを抱えたまま
例えば過ぎ去った時間の中で同じ夢を見ていた...明日へ駆ける雨傘
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動物園で見たフラミンゴ
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それなりに目を凝らして狼狽するのは
この狭い世界に飽きるより先にまあ諦めてる
どんな時でも私は素直になってしまう
だから自分を見続ける様で今はどうも辛い
他人が向こうで何かを囁きあう度
ふと心を痛めている私は滑稽でもある
たとえば突然に消えてしまうものとして
その時どうすればいいのか...動物園で見たフラミンゴ
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高架線移動
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とにかく先に行って
みたいので面倒なら高架線の
上を突っ走る
置いてけぼりになる景色などは笑い声と
ともに過ぎ去ってしまう
はためく襟に 汗がにじんできらきら
はためく襟に 汗がにじんできらきら
混雑を蹴散らしたくて
たまらないこのイライラは誰が
起こしたものなんだろう隙間もなく...高架線移動
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いらだち
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あたらしいすにーかー の
ひもが どろどろなんです
おろしたての とっぷすも
しわで くしゃくしゃなんです
みんなが まだ こないんです
もう あめのなかずっとまってます
いらだち
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四季抄
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色めき立つ春空の下
温めの煎茶を飲み干した
ひと風吹くかもしれなひと
弥生の道には野良地蔵
八十八夜の星空と
誰が起こした春一番
佐保姫通つた路地裏に
綺麗な色したさくらんぼ
轍の影に隠れてた
稲子を肴に菖蒲酒...四季抄
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※1
人気のない駐車場の古ぼけたバンの影に隠れて
こそこそ水着を脱いだら
夏の日差し
と 誰かの視線があったとして
脱ぎかけサンダルつっかけた跡に
隙間から風を感じたから
あわてた私の背中にひとすじ冷たくないようで
冷たい汗
※2...灼熱のメロンボーイ