りせる

このキモチを、どうやって言い表そうか
目覚めは、水底から水面へ一気に浮上するみたいだった。
もちろん、水に沈んだ事も水に触れた事すらまだ無いのだけれど、この表現が一番近い。
「あなたが、マスターですか？」
「そうよ。おはようミク。」
私がずっと眠っていたことも知っていたし、これが「目覚め」という行為...

冷たい
頬を流れる　この雫
止められない
蛇口が見つからないの
涙なんて知らない
悲しくなんてない
つらくなんてない
息苦しくなんてない
泣いてなんか　ナイ
苦しい...

世界は逆さま
心理が倫理
夢が現実
白が黒なら
私は何色
溶けて浮上
立ち上がり落ちる
背中合わせに息をしたら
鼓動は止まるの？動くの？
扉の中へ...

雨上がりの早朝　世界はまだ蒼く
くすぶる想いは熱いまま
濡れた髪から雫
もう夜明けはすぐそこに居るのに
眠らないはずの街　瞼はまだ閉じたまま
息を潜め立っている僕は
切り離された世界で
もう明日の夢をみて目を見開くよ
午前四時の魔法あるなら
儚く脆く　視界は真っ白...

ご機嫌いかが
bonjour クラウン
朝の広場でパン屋に挨拶
太陽がこのまま
幸せはありのまま
笑ってる クラウン
明けない朝が無いような
林檎はいかが？
bonjour クラウン
花カゴ娘が右から左...

この肩に背負いし　なんて軽やかな糸
繋がる先は　繋がる筈も無い彼の人
懺悔は出し尽くした
ならば
纏う迷いの衣脱ぎ捨てて
この身焼き尽くす焔へ飛び込もう
後戻りなど望んではいないよ
願いは　ただ
あの夏に触れた　とても温かな夢
泡沫の甘美　口端に宿った笑みは現(うつつ)...

くるくる回る
くるくる回る
甘い旋律だけ
独りと気づかず駆けてゆく
乙夜も越えた星空の下で
どれを願えば叶うのでしょうか
ぐるぐる巡り
ぐるぐる迷う
霧に似た幻想だけが
脇目も振らずに一人歩き...