作品一覧
その他
オンガク
「ねぇメイコぉ」 呑気な声で、カイトが呟くように言った。その場にしゃがみ込んで、空を見上げている。そしてその手は降る雪を受け止めるためか、無意味に差し出すような形になっていた。 「何よ、カイト」 寒さに震えながら、メイコはカイトを見下ろす。相変わらず呑気な顔だった。なのに、憎めない。 変な矛盾だ。 ...
消失