タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(5)
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空虚に飲まれた部屋で 佇む人形の瞳は何も映さず
分厚い雲が世界を覆い包み込む 朝など来る筈なく...
何にも望みさえなく 良く似たあの娘の面影重ね合わせ
愛され 忘れ去られる それは限りなく生まれ来た理由だった
月が 蒼い月が
注ぐ光が問う
“君の居場所は本当に其処で良いの...?...『つきのはな』より、第一幕“はじまり” 歌詞
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あれから8年。母上が亡くなった。先に病に倒れた父上に変わって国を治めていた母上もその多忙さに倒れ、そのまま息を引きとった。
葬儀はリン王女の即位式と同時進行で準備が進められ、驚くくらい事務的に事が進んだ。
リンだけが大号泣して、部屋に篭りっきりだった。国民も悲しみに暮れてはいたものの、次期王女への不...◇◆ソレゾレノオモイ◆◇ *王女リン*+*召使レン*
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彼女のおかげで命を救われた僕は大臣から“次期王女の召使として働くように”と言い渡された。新調された明るい山吹色のベストは彼女と僕の髪の色に似ていた。
服に腕を通して改めてその色を眺めていたら、無性に彼女に逢いたくなった。お礼も言いたいし、召使として傍にいることを許されるたのなら、今すぐにだって傍にい...◇◆キミノイロ◆◇ *王女リン*+召使レン**
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朝日が登って、きっと暫く経ったのか。昨日城から離れた牢獄に入れられ、いつの間にか眠りについていた僕の頬を、唯一ある小窓からの日の光が照らす。眩しさに眼を覚ましたけれど、外には警備兵が見当たらなかった。代わりに少し遠くで数人の大人の声と、女の子の声がした。
「…リン…?」
鉄格子を掴み立ち上がると彼方...◇◆マモルベキモノ◆◇ *王女リン*+*召使レン*
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――壊れていく彼女を
僕は救ってあげたかった――
僕等が14の年、お母様が亡くなって 彼女は一国の王女になった。
周りの大人は彼女に“王女らしさ”を求めた。政権も振る舞いも勉学も、今まで以上に彼女に求めた。たった14歳の僕の愛しい片割れに。
双子は、呪いだった。必要とされたのは次期王女。僕は誰からも...◇◆イトシイヒト◆◇ *王女リン*+*召使レン*