投稿作品18作品
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黒い雲千切れて 僕の空に拡がる
結晶には成れない 白い雨に凍える
君は何も知らず 紅く頬染め笑う
蒼く裂ける心 悟られまいと隠した
もし君がいつの日か 僕の手を取ってくれたら
薄氷の想いは 今砕け 溶けて消えゆく
竜胆色の空が 雲の切れ間から覗く
細い薬指の 翠玉が煌いた
新しい始まりへ 誰かと歩ん...雨宿り
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目が妙に乾くのは
涙を零すまいと
必要な水分まで抑えているから
涙はやがて溢れたけど
虚しさが悲しみなのか
私自身すら分かっていない
薄情な私はきっと
然程親しくないあなたのことを
すぐに忘れてしまうでしょう
溢れた筈の水は...無題
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とくと舞え 掌の上
咲かぬ花を散らして咲え
今宵橋の下 繰り広げらる白刃の舞
かつて肩並べし友は 哀れ憎い敵と成り果て
恨み辛み妬みに嫉み
鋭き矛先彼奴に向けよ
春花の紅は人の骸と言われしが
花持たぬ青柳こそ紅化粧を喜ばん
とくと舞え 掌の上
咲かぬ花を散らして咲え...狂花宴
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泣き方を知らない
だから唄う
涙の代わりに
歌で声を枯らす
上手く話せない
だから謡う
言い訳の代わりに
歌で悔いを綴る
何一つ贈れない
だから謳う...Requiem
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こいをして
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まっちろ
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例えばそう
「君の味方だ」
甘言を囁く男たち
奴等の何割が
世界を敵にして
揺らがず立っていられるだろね?
例えばそう
「永遠に一緒に」
指切りをする恋人たち
奴等の何割が...戯言
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いんすとーる
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ひとりで
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おてんば じゃじゃ馬 無茶無謀
そんな言葉は聞き飽きたけど
文字の羅列見てられなくて
部屋を抜け出して木に登る
根暗に 弱虫 意気地なし
そんな言葉は聞き飽きたけど
擦り傷一つ作りたくなくて
本を片手に窓辺に座る
小さな型には収まり切らず
大きな型は居心地悪く...きみ□ぼく
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好きな花があったんだ
君が髪に飾った花
好きな歌があったんだ
君と共に奏でた歌
優しい場所があったんだ
君と過ごしてきた場所
優しい笑みがあったんだ
君が私にくれた笑み
春の園にせせらぐ小川
硬い石畳と落葉の森...― gelda ―
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蒼い玉座
拒絶する壁
凍て付く床
静まり返る
白い女
薄く微笑み
光は射さず
動かない
いつから此処にいるんだろう
床に映る僕 ― カレ ― は揺らぐ...― kai ―
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おとぎの話をはじめよう。
どこかで聞いたか、聞かないか。
昔々のどこかのお国、
ワガママ姫さま暮らしてた。
きれいな衣装に、人形に。
欲しいといえばなんでもくれる。
だけども姫さま飽きっぽく、
ちっとも満足しなかった。
ある日地下で見つけたよ。
ほこり被った大きな鏡。...鏡の国の...
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いつも見掛けるあのヒトが 今日は2人で歩いてた
隣で微笑み浮かべる女 見るからに清楚な“お姫様”
ちょっともたついただけなのに
全部全部台無しだわ
御伽話は大嫌い
お姫様は皆したたか
隠し持ってる もう片方のガラスの靴
床に落ちて砕けてしまえ!
負け犬なんて言ったのは誰?
たかが一つの恋じゃないの...負け犬の遠吠え
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あるあさ めざめ
かごは からっぽ
ことりが いない
きいろい ことり
とりかごの かぎ
かぎを かけるの
わすれて いたの
ちいさな ことり
いまごろ どこを
とんでる かしら...ことりが にげた
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ちりちりちり
きらきらきら
風揺る簪細工
ちりちりちり
きらきらきら
幼い約束
眩い赤は貴女の色
錆びてしまっても
偽りの花に馳せた想い
朽ちはしないと...あかいろ簪