タグ「オリジナル」のついた投稿作品一覧(47)
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アルビレオ
脆くて儚い 優しい光は
キミの願い
止まない雨雲の向こう側に
星が今も輝くこと
誇らしげに語るキミが 少し
僕には煩わしかった
転び傷ついた二人に
延べられる手などなかったから
共に肩を寄せ 支え合うように...アルビレオ
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空の頂
人の心を貪り食う闇
踏み出す足に絡み付いては蠢く
放たれた矢は戻らない
明日を信じて進むだけ
痛みさえも希望として
私は空を駆ける
Honor of SKY HIGH 掴みとる
この手に自由とその栄光を
光と影が交差する空...*空の頂
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tear blooms
目覚めて触れる死が
私の生を食む
まだ深い夢の底
揺らめく泡の今日
届かないの
望んだ明日はほら 途絶え
咲き誇るイミテーション
無機質の砂漠で
鳴いているカナリアは...*tear blooms
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モノクローム
五月蝿い雑踏に耳を塞いでいる
どうせ明日だって
残響のようなウィークディ
「幸せ」なんて小さな期待だけじゃ
どこにも逃げ出せない
確かな感情に触れていたくて
握りしめた拳は震えていた
どこかの誰かに渡すためのストーリィ
ペンを走らせた...*モノクローム
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のっぺらぼう
楽観者集う今日の議題は
結論なんて梨の礫
頭の中 花咲いたまま
傷口など見ぬフリ
共感できない 興味沸かない
子供染みたパラノイア
行方不明の理想の僕に
投げつけた不適合の称号
現像不能のネガフィルムに...*のっぺらぼう
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カナリア
Aメロ
いつかのメロディー繰り返す
ワタシの記憶は戻らない
鳥籠の中でかくれんぼ
静かに世界は回らない
Bメロ
あぁ…どこか遠い場所にアナタはいたよ
あぁ…狭い箱庭にひとり
サビ...*カナリア
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月下膿爛のカンタータ
咲かずに摘み取る百合の花
崩れ落ちる残骸 罪深く
憎悪に塗れた微笑みが
真白い首筋に手を這わす
イカナイデヨアナタヲアイシテイルノ
キズダラケノテアシヲナゾッテ
ナガレオチルノウズイコノテデスクイ
イマデモスキダトササヤクノ
触れて抱いてどうか...月下膿爛のカンタータ
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無題
呼吸をするだけの柔らかなこの機械は
電子が描くカオスの夢を見る
過去も現在も未来も
数多ある複雑な理論体系も
彼女を絡め取ることはできず
触れればほどけてしまう脆い素肌を
温い水溶液に浮かべている
そこには嘘がなく
そこには愛もない...*無題
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るさんちマン
雪はいつからか嫌いになった
昔はあんなにもはしゃいでいたのに
爪先は痛くなるし 傘は重くなるし
電車は止まるし 歩きにくいし
そんな詰まらない大人になってしまったな
街は華やいでクリスマス
私はといえば足早に笑顔をかいくぐって
なんだかなぁって思いながら帰路に着く
これで良かったのかな...*るさんちマン
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そんな、さよなら
お別れの色は
透き通った翡翠の色
壊れそうなひびだらけのグラスに
注ぎ入れたミネラルウォーター
ぐしゃりと崩れて風化する心象
優しい言葉は掌から滑り落ちて消える
瞬く間に走り去る記憶の影
そんな、さよなら
これで良いんだろう?...*そんな、さよなら
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リインカーネーション
A
これから始まる再現フィルム
主役のフリした目隠し少女
抉ったナイフと滴る狂気
傷の深さを自慢しながら
落ち行く先は深い穴
アハハ 金輪際起こさないでちょうだい
(…ねぇ、お願いヨ?)
A'...*リインカーネーション
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蟻塚
夢は腐蝕し爛れて
おぞましい音を立てた
薄暗い天井照明に
蛾が一匹張り付いている
ここは終着点
誰一人目を開かない夜明け
細切れに、一口大に
切り取った命を喰らって
泣いていたんだよ...*蟻塚
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ゐる
含み笑いと不気味な呼吸音
僕は闇、いや、若しくは残響
ただ仰ぎ見る虚空には影
泳ぎ去っていく他人行儀なシーラカンス
嗚呼、嗚呼、
僕は二の句が継げないまま
奇妙な映像を弄くっている
まるでジグソーパズルのように
血の滲む指先をさまよわせて...*ゐる
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最果ての天使
喧騒 耳を塞いで待って
言葉は今 流しに捨てた
寂しいなら海を見下ろして
叫べばいいわ このまま果てへ
手錠の鍵は君に預けたまま
あたしは折れた翼で何処へ行けばいいの?
グッバイ・ララバイ
今日が壊れて
何度も何度も書き殴ったノートにすら...*最果ての天使
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ルサンチマン
しょげた曇天の空に視線を投げて
「またこれか。」と舌打ちを打つ
悪い予感だけはいつでも当たる
傘をなくした午後の都心
ずぶ濡れやむなし ため息ばかりの
こんな生き方じゃ気も滅入るや
何が悪いのか教えてほしいと
ガラス映る 僕に問う
今日も明日も そう変わりゃしないのならば...*ルサンチマン
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無題
キーの音が泡の弾ける音のように
澱んだ夜に絡まって響く
言葉はバラバラに解体されて
蜘蛛の巣に触れてぶら下がる
僕は此処で生きている
他人事のような真実に身震いする
手を伸ばせば傷付くだけさ
息を吸えば焼け付くだけさ
目隠しの天使は窓辺に憩う...*無題
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無題
書き出しはこうだ
「それならば旅に出よう」
脈絡も無く始まる君の言葉
際限なく君の心を辿る
膨らんだ憂鬱に呑み込まれた世界
片隅のブランコに揺られて
君の残した手紙を読んでいる
「君に会えてよかった」
足跡すら残さずに消えたから...*無題
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forest
貴方は何処? 貴方は何処?
私は今 声を枯らし
薄暗い森で迷子のまま
私は此処 私は此処
空を切った 腕が傷付き
虚ろな目が闇を見つめてる
置いてきぼりのマリオネット
糸の切れたマリオネット
果ての無い逃走の経路...*forest
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沈黙したフォルダ
夢から覚めた僕は
両手が空っぽなことに初めて気づいた
もっとたくさん持っていたはずなのに
夢の中に置いてけぼりにしてしまったみたいだ
地下鉄の軋み
割り込むように流れるMP3
君に会いに来たんだ
名前も知らないのに
生臭い都会の風...*沈黙したフォルダ
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JOY
夕焼けに溶ける シャドー
愛に溺れた哀れな猫は
温い寝床を探して彷徨うの
Do you remember me ?
Do you remember me ?
行方知れずのHoney trap
緩やかに下降する夜の街で
私と誰かが手を繋いで
派手な仮面とステップで...*JOY
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色褪せたプロローグ
本棚の隅っこ 古びた日記帳
日に焼けて擦り切れた
僕達のプロローグ
君と語り合った 平凡な街角
握った拳に夢想を掴む
「世界を変えよう。」なんて得意げな
君の笑顔 眩しくて
一番星光る 二人手を伸ばして
夕暮れに長く伸びる二つの影...*色褪せたプロローグ
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始まりの鍵穴
鍵穴 それは鍵穴
彼の胸に穿たれた
深遠への約束
生命への慟哭
つまりは、鍵穴
不愉快な雑音(ノイズ)
発条仕掛けの迷路を抜けて
錆色の町に降り注ぐ
見上げた先に発煙筒...*始まりの鍵穴
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思い出してもご覧よと
窓際の絶望感にご挨拶
夜はどこまでも深いねなんて
いなくなった温もりに告げた
複雑過ぎた日常に
排ガスと煙草の脂が染み付いた
いつも悲しみを引きずっていて
少し飽きてきた所なんだ
朝からの雨は
もうすぐ止むだろう...*再考
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A1
朝が焼けたら真白い灰は
フウワリ溶けて舞い散るの
望んでいたの あたくしは
待っていたのよ あたくしは
あの日のままに
あの日の場所で
A2
痛みに眠り 片目で目覚め
いつもの夢を見続けたのよ...*むだい
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I'm a PIERROT.
思い出したのは
何気ない感情の起伏
柔らかなタンパク質に微睡む
拍動 脈動 「ここから」の胎動
I'm a PIERROT.
語り部としての役割を淡々とこなして
I'm a PIERROT.
怖がりな心臓をこの箱に閉じ込めたまま
笑って見せてよ こんな愚かな世界で...*I'm a PIERROT.
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習作
その大地は黒鉛で塗り潰され
饐えた臭いが鼻を刺す
私は誰に何を伝え
君は何処で何を歌う?
豪奢な屋敷に集う
寂漠と虚栄の亡霊共
口腔の闇に言葉が蹲り
私達は叫びを待つ
嗚呼、天涯の彼方...*習作
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月夜-labyrinth
月夜の青路地
煉瓦作りの迷宮-labyrinth
愛の焦げ跡が点々
あの角を曲がれば
もう戻れない
サテンのトゥシューズ
リボンが青ざめて
この夜の公演が始まれば
口をかすめた夜想曲...*月夜-labyrinth
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存在の代償
浮かんで揺れて崩れて消えた
闇の街に潜む物語
足音は昨日を 視線は街の灯を
探していたんだろう
きっと きっと きっと…
夜空へと夢描くオーロラ
降り止まないノイズが音楽になる
星は眠り 本物の夜が近付く
静寂の奏でるレクイエムを抱いて...*存在の代償
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雨の記憶
どれだけの雨を越えて
聞いて 見て 歌っただろう
さめざめと泣いて
赤い目を擦る
背中合わせの君と
背中合わせの僕と
ひたすらに傷を舐め合い
ひたすらに罵倒し合った
さようならは聞こえない...*雨の記憶
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無限世界
酷い雨だ なんて冷たい
肌を傷つけ 流れ去る痛み
硝子は幻影を浮かべ
この現実の不確かさを
声も無く唄う 唄う
清廉なる彼女の衣に
縋りついた記憶の断片
純白な錯覚に囚われ
存在すらも曖昧になる...*無限世界
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