投稿作品5作品
もっと見る-
「空の色は嘘なんだ」
君は笑う 儚く笑う
「うその色はいけないの?」
あの子が笑う 無邪気に笑う
僕らは嘘でできてる
目覚めた箱庭の中
一番初めの僕は
きらきら 綺麗な世界
小さなその中だけで
幸せだったのだけれど...群青ファイサリス
-
蝉しぐれ 遠く
温い風 頬を撫ぜる
口元だけの笑みを湛えて
優しい君が差し出した手
どうか触れないで
決して近寄らないで
ただ隣にいてくれれば
夏の白昼夢でいいから
さあいきましょう 彼女が言う
迷わないように 迷わずの森...夏の夢
-
月明かり 酔い 虎がなく 清か風 凪ぐ 残月の
(つきあかり よい とらがなく さやかかぜ なぐ ざんげつの)
朝未き 途 行く先に 彼は誰 待ち人よ
(あさまだき みち いくさきに かはたれ まちびとよ)
呼ぶ声に招かれて 誘い水 地を駆ける 闇の中
(よぶこえにまねかれて さそいみず ちをかける...さやけしよる
-
森のしたには さくらの音が
冴えた月のひかりのように
しんと鼓膜を突き抜けるのです
つめたいしたいとよくにてる
はるのあらしとはよくいったもの
舞散る花弁が風と共に
轟と音立てて地を走るのです
さくらのもりのまんかいのした
耳元の音 足元の声
手招くように 「鬼さんこちら」...桜の森の満開の下
-
おやすみなさい は きらいなの
どうしても いいたくない
さよならじゃあね も きらいなの
どうしても ききたくない
おやすみ おやすみ いつさめる?
またね またね いつあえる?
いいこだね と きみがわらう
ごめんね ゆるして なかないの
どうしたら わらうだろ?
ありがと しあわせ うれしいの...いっしょにねようよ