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「大雅の好きな人、知ってます?」
好奇心、興味でいっぱいだった私は食いついた。
「えっ?別れたあの人じゃないの?」
恥ずかしそうに笑って
「違うんすよ…」
と谷ちゃん。
「璃依先輩と仲がいい人です」
斗志がヒントを言ってくれたのはいいが、
仲がいい人…綾華か未来しか思いつかない。
「璃依先輩が一番知...【Promise...】Ⅹ
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季節はまた過ぎ、肌寒い季節となった。
谷ちゃんのいつもの自信満々な態度や
元気がみられない。
そして同級の子に何か話している。
盗み聞きをしていると
「オレもうだめだ…立ち直れん」
「悲しみが…ココロが痛い」
なんて言葉が。
「谷ちゃんから言ったんでしょ?」
と同級の女の子。...【Promise...】Ⅸ
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それから特に2人の関係については聞いていない。
美月ばかりに話していて
今まで話しかけられていたが
それっきり少なくなった。
しかし特に気にする間も無く
大会まで残りわずかとなった。
エキスパートをかけるようにみんな
練習に集中していた。
―そして大会当日...【Promise...】Ⅷ
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それから数日後…
何だか谷ちゃんがいつも以上に騒がしい。
美月やその他の子にいろいろなことを言ったり聞かれたりしている。
気になって聞いてみた。
「どうしたん?」
嬉しそうに顔を綻ばせ聞いて欲しそうな顔をする。
「ちょっとねー、あったんすよー」
「ん?何がー?」
「柴森って知ってます?」
柴森…1年...【Promise...】Ⅶ
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谷ちゃんは運動神経が抜群で
人見知りするタイプではなく
どこに行っても友達が出来る子だ。
やんちゃだが、しっかり者で
女子に大変モテている。
と、いうことは大体掴めた。
もう季節は蝉の鳴き声が気になる季節で
大事な大会があるためみんな張り切って
練習をしている毎日だ。
去年は惜しくも県大会に行けなく...【Promise...】Ⅵ
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コン、コン…とピン球の打つ音
落ちる音が教室に響く。
1年生が入ってきて
早数週間。
みんなラッケットの扱いにも慣れ
個々に練習できるようになっていた。
「よっしゃ、メニュー始めるよー!」
また私の合図でみんなが自分の定位置につく。
私のラリー相手はいつも美月で
綾華は谷本…いや谷ちゃんがラリー相手...【Promise...】V
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ドキリ、とした。
さっきから馴れ馴れしく下の名前で呼んできたり
挙句の果てには一緒の台で練習することになるなんて…
「ほ、ほんとに…いいの?」
念を押すように言った。
「いいっすよー」
気にする様子も無く平然と言いのけた。
「綾華と美月ちゃんは…いい?」
「綾華はいいよ」
おいおい…何サラッと…...【Promise...】IV
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そして、新しくなったメンバーで
初めてのクラブをすることに。
浮かれていた私は教室に入った途端
その場に立ち尽くしてしまった。
目の前に…あの谷本とかいう
うるさい男が笑っていた。
「もしかして…」
「そのもしかしてです」
ニコリと笑ってサラリと言いのける綾華。
(これからのクラブ生活どうなるんだ...【Promise...】Ⅲ
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貴方との出会いは―二年前の春
クラブの新入生紹介の時だった。
「お前ら、黙れ」
第一印象はあまりよくなかった。
入ってきた途端騒いだ挙句、この一言。
最初はなんて生意気なやつなんだろう、という印象だった。
私は卓球部に属していた。
先輩は気さくな方たちが多かったが積極的な人は少なく
ほとんどの人がク...【Promise...】II
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「絶対に卒業するまでにGetするぜ」
指を私に向け挑発するような顔
真っ直ぐな瞳に堪えられなくて
恥ずかしさが込み上げてきて
私は思わず目を背けた。
「絶対だからね!」
ねぇ、貴方はもう
私を見てくれないの?
【Promise...】Ⅰ...【Promise...】Ⅰ