ティスカリウス国 首都バレラ am8:00
「母さん。行ってくるよ。」
僕は、玄関の前で奥の部屋にいる母:レンラに声をかける。
「あぁ!!行ってらっしゃい!!がんばるんだよ!!」
少しして返事が返ってくる。
僕は、靴を履いて家を出る。ドアが閉まる直前家の中を覗くと母さんがゆっくりと洗濯物を片付けていた。母さんは僕を産んで、数年で身体が弱くなってしまい、僕が6歳の時に銀行の仕事を辞めた。それからは、ずっと家事をしている、いわゆる専業主婦。かかりつけの医師には激しい運動等はだめと言われているがじっとはしてられないということで、家事をすることは許可されている。
僕はため息をつき、ドアを閉め、家のすぐ近くのバス停に向かう。季節は冬で、地面が氷結し道路を通る車が半ばスリップしていた。息を吐くたびに白い蒸気が出てくる。
距離にして30m先にあるバス停には僕、フィンレイ・グラハムと同じ学校の制服の女子がベンチに座っていた。肩までかかる金髪に碧眼の女子は、僕に気がついて、変な叫び声を上げる。
「あ────ッ!!!!!」
叫んだ瞬間、立ち上がってこっちに走ってくる。
が、5mくらい前で氷結した地面で、滑ってコケた。
「あ────・・・」
今度はこっちが、変な声を漏らす。
「うう・・・ッ」
「大丈夫かよ・・」
うめき声を上げながら立ち上がる女子に呆れながらフィンレイが声をかける。
通ってる学校、アイカシア高等学校の女子の制服は夏だろうが冬だろうがスカートは短く、太ももあたりまでしかない。反対に男子はずっと長ズボンである。今は冬なので、男女ともに長袖のシャツにネクタイ、ブレザー、そして女子はスカート、男子はズボンである。
故にこけた彼女の膝に擦り傷ができていた。
「おい、メイ・・・」
メイと呼ばれた少女は、キッとフィンレイを睨みつけ、
「バカッ!!!!」
と叫んで、またバス停のベンチへと行ってしまった。
(何なんだよ、アイツ・・・)
心の中で毒づきながらメイが座っているベンチへ近づく。道路も歩道も氷結してとても滑りやすくなっていてメイの二の舞にならないようにゆっくりと歩いていたが、後ろの方からブロロロロ・・・とエンジンの音が近づいてくる。すぐにフィンレイの横を通り過ぎ、5mほど先のバス停に止まる。ベンチに座っていたメイは、膝の擦り傷にバンエードを貼りバスへ乗り込もうとしていた。
(ヤバっ)
フィンレイは焦って、地面の状態などお構いなしでダッシュする。バスが閉まりかけてさらに焦り、
「アアッ、待って!!!」
叫ぶと同時に、あっと体が前に倒れる。
バスが締まると同時に出発し、フィンレイが氷結した地面に突っ伏していた。通りすがりの人が何事かと見てくる視線が痛い。
しばらくして起き上がり、びしょびしょになった制服を見た。
うまいこと、前の方だけが濡れている。
そして、去って行くバスを見送りながらどうでもいいことをつぶやく。
「はぁ・・・。厄日だ・・・。一旦家帰ろう・・・、今日は遅刻かぁ・・・」
はぁ、と今日何回目かのため息をつきながら今来た道を引き返していった。
もちろん、母:レイラには 何をやってるんだい・・・ と呆れられ、申し訳ない気持ちになった。
Milky Way Square 第一章【とある日の日常の一部】
H.D.K(はい.どーも.こんにちは)
奏音レイです。
前作の続きとなります。
今回は、タイトルどうりとある日の日常の一部と称した第一章です。内容もまんまです。全然進展してないです。
第二章ぐらいで、話が進みます。そこまで行く気力がなかったOTL
この物語はまだまだ続きます。
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良ければ感想をお聞かせください。待ってます。
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