くすんだ梅雨日の向こうは
嘘くさい真夏の香りだけ
並び帰った街の影は遠く
「ああ、また戻れるかな」
重ねた月日訪ねれば
凍てつきアヲすぎる記憶だけ
窓辺の日差し、効きすぎたクーラーさえ
ただただ愛しかったんだ
ケセラセラと無邪気に走り出した日々
君と同じ時間を駆け抜けた
僕は今も昔も八月の歌に
下らぬ夢を見てさ
幽か融けた夏空ただ抱きしめた
モノクロの旅路染め上げた
あの頃と何も変わらないな
なんて信じずにいられないや
まだまだ強くなれないな
かすんだ瞳に写せば
思っているより青はさ、深くなくて
瞼の裏の空色の空に
今日もほら、また救われた
めくるめく空騒ぎ聞かぬ振りしては
人熱れ逝く方向に中てられた
僕ら刹那に永久に分かたれしふたり
叶わぬ夢の果てさ
風が裂いた雲の間高く仰げば
モザイクの視界晴れ冴えた
あの頃と何も変わらないと
恨めしく信じ続けるのは
ただただ君がいたから
僕は泣いた!
虚ろな手を伸ばしたら
恐れなす未来踏み出した
あの頃と何もが変わろうが
拒もうが季節は廻るから
新たな夏を生きるんだ
アズレンの空も街も君も
また戻ることはできないから
新たな夏を生きるんだ
「サヨナラ」の夏を往くんだ
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