ふもと通り過ぎる 道行く人々
曇ったガラスの目
それを眺めるのは 憂いに満ちた
少女の淡い瞳
咲き誇る花の首を切り取り回る
残酷な鳥の鳴き声すら遠く聞こえて
誰も俯き見上げなくなった大樹 その梢の上に佇む少女は
冷たい幹の感触を覚えながら 何を思うのだろう
力感じられぬ しなった枝から
垂れ落ちる水滴
無気力な視線で 落ちる雫を
ゆっくりと追い掛ける
生い茂る若い枝をただ食い破る
身勝手な虫の横行すら鈍く感じて
目蓋閉じればいつだって思い出せる 皆に敬われた輝く遠い日
時の木の葉は皆枯れて地へと落ちた もう戻れはしないのか
皆が忘れ去った 古びた大樹に
歩み寄る少年
歩く足を止めて その木を見やる
濁りの無い瞳で
少年に気付き 少女は見下ろす
梢の高みから
少年は見上げた 刹那交わる
お互いのその視線
死んでなどはいない 生ある瞳を
そこに認めた時
微笑んだ彼女は ふわりとその身を
虚空へと投じる
少年の元へと
迷い無く真っ直ぐに
乾いた滑車の回る音が…
コメント1
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ご意見・ご感想
碧夜
ご意見・ご感想
最後が意味深な歌詞ですね。モチーフの妖怪通りだとしたらホラーのようになりますけど。
色々な結末を考えさせれるようです。
忘れられた存在に近づいてきた少年…その後が実に気になります^^
2009/07/13 19:51:22