#「幽霊ちゃんの気持ちになってみませう」



清花……それはこのかなりあ荘に憑りつく幽霊ちゃんの名前

見た目は、まだまだあどけなさが残るかわいい女の子

朝食を作ってくれたり、カーテンをシャーしてくれたりととても面倒見のいい子

でも、そんないい子を泣かした阿呆がいた

それが管理人のくせに管理する気がないしるるという人物……ま、私だけどw


事の発端は一か月ほど前、私が幽霊とかお化けとかそういうのが苦手なのに幽霊探しをして、彼女が幽霊だと気付いた時に拒否してしまったことが原因だった

そして、ゆるりーさんには、その現場を【聞かれ】……
「……次に会ったときは酷いんじゃないですか?泣かせたんですよねぇーカワイイと噂の子を(黒)」
と、言われ、呪われるのか、祟られるのかと震える日々を送った

さらに、ついこの間はターンドッグさんにこのことがバレてしまった
きっと、私のこと、脅すんだ!と思った私は、「家賃100倍にしますよ!」と逆に脅してやった!
効果はテキメン!見事、追撃を振り切った私!
けど、その時は気づかなかったが、現状、タダの家賃……100倍したところで結局0だと気付いたのはその日の夜だった






あれから、清花ちゃんとは会っていない

というよりも、シルルスコープをつかっていない

それでも、毎朝、朝食が用意されているし、カーテンがシャーされて、ぎゃぁああになるのだから、きっと私たちの周りにまだいてくれているのだろう

やっぱり、彼女はいい子なんだ……それは本当にそう思う

けれど、幽霊は怖くて……




「しるねえさん?何考えてるんですか?」


リビングでもんもんとしている私の目の前に心のオアシス、つかさくん

つかさくんは私のことをねえさんと呼んでくれる

私も彼女のことは妹のように思っている


「つかさくぅん、私どうすればいいの」


甘えた声でつかさくんにくっつくしるる


「え?な、何のことですか?ぼ、僕にきかれても……」

「私、いくらかわいい子でも、お化けは怖いよー」


これでは、どっちが姉なのか……というか、年上なのか謎だ


「あ、そのことですか?」

「え?つかさくん、わかるの?」

「はい。たぶん皆、知ってますよ?しるねえさんが、幽霊さんを泣かせたっていう話ですよね?」


なんか……悪いところだけ伝わっているような気がする


「いくら幽霊さんでも、泣かせるのはいけません。」


私を真面目にしかるつかさくん


「つかさくん……大人だね?」

「いやいや、僕なんて……しるねえさんも大人なら、ちゃんと話すべきだと思いますよ?」


ほんと……どっちが大人なのか……


「……うん、わかった」


しょんぼりとする私

それをみて、なでなでと癒してくれるつかさくん


「それじゃ!頑張ってくださいね!」


つかさくんは笑顔でそういうと、自分の部屋に戻っていった
















自分の部屋に戻ってきた私は、シルルスコープとにらめっこをしていた

つかさくんに後押ししてもらったのだから、いまこそちゃんと清花ちゃんと話すべきだ

け、けれど、もし、怒ってて、呪われたりしたら……

ぐるぐる回る思考は、ループして意味を成していなかった


「あああああもう!!!!」


最後は結局、考えることをやめて、勢いに任せて装着



そして、恐る恐るあたりを見渡す


「やっぱ……リビングにいるのかな?」


私は部屋を出て、再びリビングへ



あ、いた……

椅子に膝を抱えて座っている

そして、その膝の間に顔をうずめている

……寝ているのかな?


「あ、あの……清花ちゃ……さん?」


なれなれしく話しかけたら、呪われてしまうかもしれないので、言葉遣いに気を遣うしるる


私の声をきいて、がばっと顔をあげて私を見る

そして、慌てて逃げようとする清花ちゃん


「あ、ま、待って!!……ください」


私の声が届いたのか、脚を止めて私を見る清花ちゃん


「なんですか?しるるさんは、私が怖いのでしょう?」

「そ、そそそそ、そんなことないよ……あ、ないです。」


両手をぎゅっと握って怖い顔で私を見る清花ちゃん


「あなたは嘘つきです。さっきここで、私が怖いと言っていたではありませんか!」

「え……あ……」


つかさくんと話したときだ……

そうか……清花ちゃん、ここにずっと居たんだ……


「そ、それは……その……ごめんなさい……」

「無理して謝らなくてもいいです。所詮、私は幽霊ですから……」


いくら鈍感で何も考えていないしるるにもわかった

清花ちゃんは、すごく傷ついている……しかも、自分のせいでと


「あ、あのね、い、いつも、朝食作ってくれてありがとう……ございます」

「……」


しるるなりのフォローにも、清花ちゃんは無言だった


「あ、あと、カーテン、シャーで起こしてくれるのも助かってるんだよ……あ、います。」

「……」


表情が変わらない清花ちゃんに対して、わたわたとするしるる


「えっと、えっと、あ!その着物かわいいね!……ですね」

「……」

「えっと、うんと、それから……えっと、うんと」

「しるるさん……」


ここでようやく、清花ちゃんが話してくれた


「もういいです……私は、今まで通り一人で大丈夫ですから」


そういうと、二階の方に上がっていってしまった




次の日、私の部屋のカーテンがシャーっとされることはなく、しるるは遅刻したのだった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

幽霊ちゃんの気持ちになってみませう【byしるる】

さらに怒らせてしまったしるる
清花ちゃんも、14歳(享年)と難しいお年頃

現在、清花ちゃんシリーズは
過去編&1話、2話  byしるる
3話         byゆるりーさん
4話         byターンドッグさん
5話         これ
みたいな感じになってますww
これはみんなで作り上げている感があって、いいですねw

あと実際、つかさくんには、いつもあんな感じですww
どっちが大人かわからない感じで、マジで惚れますぜw

閲覧数:165

投稿日:2013/07/28 17:01:21

文字数:2,319文字

カテゴリ:小説

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  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    まさかの4話認定wwwww
    どうしよう、これはどっぐちゃん目線で単発の6話を出すべきなのか!?
    それともシルルスコープがない現状どっぐちゃん目線でも清花ちゃんを出すことはできないのか!?
    うーん、どっぐちゃんの設定、思わぬイレギュラーになっちゃったなぁwwww

    多分書くとしたらこの後の場面で、どっぐちゃんがまた夜中にばったり会うんですねわかります。
    どっぐちゃんは清花ちゃんに泣きつかれ翌日しるるさんにが詰め寄ると!
    更にゆるりーさんやつかさくんもやってきて!
    そして家賃の真相に気付いた私も加わり、騒ぎを聞きつけた雪りんごさんも話を聞いて修羅場発生!!
    心を決めたしるるさんはいざ、再び清花ちゃんと真正面から向き合うことに――――――!!


    ……マジごめんなさい、夏のテンションが悪いんですww←
    ところで100年たっても精神年齢は止まったまんまとか……
    萌えるじゃないk(黙れ変態

    2013/07/28 17:21:29

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