あれはいつだったかな…。
お父さんが病気で死んでしまってお母さんは暗くなって外に出なくなってしまった。
ルカ姉もそんなお母さんを見てからグレてしまった。
でも…。
おばあちゃんが縁談を持ってきた。
その日から変わった。
『ルカ、ナナ。この方が鏡音裕貴さんよ。貴方たちの新しいお父さんよ』
『お父さん…?』
『そうよ』
お母さんが笑っていた。
いつも泣いていたとは思えないほど眩しい笑顔だった。
『初めまして。ルカちゃん、ナナちゃん』
『…初めまして』
最初に口を開いたのはルカ姉だった。
警戒はしていたと思うけど、お父さんが死んでしまう前と同じ優しい顔つきだった。
『…はじめまして』
私も恐る恐る声を出す。
『小さいのに挨拶が出来るなんて偉いね』
大きな手で私を撫でてくれた。
あの時に戻ったように感じた。
『レンカ』
裕貴さんは誰かを呼んだ。
『…何』
現れたのは美人な女の子だった。
『この子達がお前の妹になるんだ。挨拶をしなさい』
『妹…ねぇ』
レンカと呼ばれた子はルカ姉と私を見た。
『初めまして。福井レンカ。こう見えても男だし、君より3才上だから』
ルカ姉と私は驚いてしまった。
それから本当の親子のように仲良く暮らしていた。
でも。
『裕貴さんが…撃たれた??』
警察の人だったお父さんは犯人を追いかけている途中で撃たれたらしい。
すぐに病院に搬送されたらしいが、間に合わなかった。
『…』
レンカ兄は黙っていた。
ルカ姉はお母さんの背中をさすっていた。
私は…。
私はまた悲しみに襲われて何も言えなかったし動けなかった。
『ナナ』
『…』
『はあ』
レンカ兄は深い溜息きを吐くと私を抱き上げた。
小さい子供にする高い高いである。
『降ろして』
『笑ったら降ろしてやる』
『嫌』
私は2度も父を亡くした悲しみで、喜怒哀楽を見せなくなってしまった。
笑う意味なんて分からなかった。
『ナナ、こういう時だからこそ笑うんだ』
『こういう時…だから?』
『誰か一人でも笑えば皆笑うから』
それから私はどんな時でも笑った。
悲しければ泣いた。
怒ったりもした。
でも。
目の前で再び悲劇は起こった。
『ただいま~』
いつものように学校から帰宅。
『?』
いつもならお母さんが出迎えてくれるはずなのに出てこない。
人の気配すらしない。
『鍵開けたままどこか行ったのかな…無用心だなぁ』
いつも以上に不気味な家に足を踏み入れる。
生活音が一切聞こえない。
まるで空間を切り離されているかのように。
『ただいまー…』
恐る恐るリビングへと入った。
ソファに誰かが横になっているのが視界に入る。
『寝てる…?』
物音が立たないようにゆっくりと近付く。
『おか…っ!?』
目の前には真っ赤に染まった母親が横たわっていた。
『お帰り。思っていたより帰ってくるの早かったね』
『帯人…』
いつの間にか台所には帯人が立っていた。
『ナナ、キミ見せたい物があるんだ』
『え…ちょ…』
私は訳も分からないままどこかへと連れて行かれる。
『ここは?』
『俺しか知らない場所』
帯人はニコリと微笑む。
『ナナ…』
『?』
聞き覚えのある声がどこからか聞こえてくる。
『レンカ兄?』
そうだ、この声はレンカ兄だ。
『コレの事?』
『な!!?』
帯人はレンカ兄を物のように扱い、私に見せてくる。
『やめて!』
私は帯人からレンカ兄を離した。
『レンカ兄…』
レンカ兄はアチコチ真っ赤に染まっていた。
『これから地獄を見せてあげる』
私は椅子に固定され、レンカ兄は拘束され、無抵抗なまま…。
「いやああああああああああああ!!!!」
ナナは勢い良く起き上がる。
「っ」
ナナは左肩が怪我している事を思い出し蹲る。
「ナナ…?」
「…レン」
心配そうにナナの顔を覗き込むのはレンだった。
『ナナ、俺には双子の弟達がいるんだ。お前と同い年なんだ…』
(あぁ…なんで今更気づくんだろう)
ナナはレンに向かって倒れる。
「ナナ?」
「少し怖い夢を見ただけ…」
「そっか。横にならないと傷に…」
「もう少しだけ…こうしてたい」
「…分かった」
ナナはレンカの事を思い出しながら目を閉じた。
(レンカ兄…)
番外編@思い出
説明します!w
えーと…
夢で見ていた思い出の当時の年齢とか色々説明したいと思います。
鏡音裕貴→リント、レン、レンカの父。
福井家に嫁いで来ましたwww
お婿さんなので苗字は変わってますww
レンカ→本来なら女の子ですが、男の子設定。
帯人にザシュっとやられますw((
とても家族想いな優しい子。 当時18才
ルカ→当時15才
ナナ→当時10才
裕貴さんは奥さんと大ゲンカして離婚。
レンカだけ連れて去ってしまう。
福井財閥の娘であるナナとルカの母と再婚。
そう
実はナナ達はお嬢様w
でも、伝えられる前に母は亡くなってしまったので知らないwww
眠くて話が変になってると思いますが、そのうち補助的な内容も考えたいですハイw
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