それはとある公園の一角、青空の下ひっそりと楽器を鳴らしている一人の女の子がいた。
髪は短めで一見すると男の子に見えなくもない彼女。
その子の名前は御手師マリー。
左手でネックを支えながら指板を押さえ、右手につまんだピックでストリングを弾く。
人気のまばらなその場所で、どうやら彼女はギターの練習をしているようだった。
マリーは高校の部活動で音楽のバンドをやっている。
3年生と2年生の先輩がいる中で、1年生の彼女は一番後輩だった。
先輩達に誉められたい、あるいは負けたくない。
恐らくそんな想いがマリーを駆り立てたのだろう。
公園で人前に立って演奏をするのは少し恥ずかしいけれど、
どうしても大きな音を出す都合上、秘密の特訓は難しかった。
それにどうせ本番は多くの生徒の前でステージに上がるのだ、
気持ちを慣らすにも調度良いかもしれない。
そんな軽い気持ちでマリーは手頃な空き缶を足元に用意し、
胸に携えた紫のギター…愛器のポールを鳴らしていた。

そんな感じで1時間も練習をしていると、たまに足を止めて聞いていく人がいたりする。
拙い演奏が終わるとパチパチとまばらな拍手が返って来たり、これ見よがしに置いてある缶に小銭を投げてくれたり…。
とは言うものの、素人の音楽にそうそうお金を投げてくれる人などいはしない。
稀に気前の良い人が100円玉を出してくれたりするが、ほとんどは財布に残っていたであろう1円や10円なので、あんまり寂しい時に僕は
「右や左の旦那様~…」
なんて古い決まり文句を口ずさんで気を紛らわせていた。
正直言うと僕の家庭はそれなりに裕福なので、こんな形で小遣い稼ぎをする必要はないし。
お金が欲しいならその辺りでアルバイトでも探した方がそりゃよっぽど確実なのだけれど、
昔テレビで一度見てから憧れていた、そう…やってみたかったのだこういうヤツ。
もし音楽で身を立てようと本気で思っている人が今の僕を見つけたならば、
たぶんイラっと来るかもしれない。
だけどそんな事を一々気にしてたら、何にも出来ない気がしないだろうか?
だからマリーはこの場所でギターを弾くんだ、他に予定のない晴れた休みの日には、
毎週練習をすると決めたのだ。
そして運良くお捻りが多い日には、帰りにコンビニに寄り、少し高めのお菓子やメロンパンを買って帰るのだ。
それがここ最近の、僕の…御手師マリーの、休日の過ごし方だった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

御手師マリーの休日

御手師マリーちゃんの休みの日の過ごし方を描いた二次創作小説です。

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投稿日:2025/05/16 19:58:13

文字数:1,008文字

カテゴリ:小説

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