今は昔 遠い国の浜で
桑のうつぼ舟に娘が乗せられました
父は言いました
『ここにいては殺される 遠い国で幸せに』と

十才の時 母が病で死にました
父は新しい母を迎えましたが娘に辛く当たりました
母は娘を獅子吼山に捨てました 一頭の獅子に助けられました
母は娘を鷹群山に捨てました 一羽の鷹に助けられました
母は娘を海眼山に捨てました 一舟の舟に助けられました
母は娘を庭の隅に埋めました そのあと父に助けられました


今は昔 小貝ヶ浜の浜で
権太夫が舟に娘を見つけました
娘は言いました
『天竺の北のリンイ国 金色姫と申します』と

権太夫は娘を大事に看病するも
娘は急に痩せ衰えていきついに死んでしまいました
権太夫はものすごく悲しみました 娘の墓を立てました
権太夫はねんごろに弔いました 墓から黒い虫が出てきました
黒い虫は桑の葉を食べました 黒い虫は白い虫になりました
白い虫は繭を織り潜りました 四度眠り空にはばたいて行きました

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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カイコ姫

 『異国のカイコ姫』(日立市)の伝承より。蚕の『獅子の眠り』『鷹の眠り』『舟休み』『庭の片隅』という四度の眠りの成り立ちについて。
 歌に昔話は合わなかったです、音楽に載せるならばゆっくりめの音で一気にまくし立てる必要があるのかも。

閲覧数:418

投稿日:2008/08/14 21:53:19

文字数:421文字

カテゴリ:歌詞

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