優しさを重ねれば重ねたほど
　君が傷付いたのは知っていた
　描（えが）いた愛の質は理想的で
　現実の中で裂け　澱んでく

　君を抱き寄せることも　いつか恐れてた
　振り返ってそのまま　「キライ」と言われそうで
　「明日また会えるよね」と　一人自己暗示
　赤く腫れた目にさえ　未だに気付かぬまま

　愛した気がして壊して　与えた気がして奪って
　消えない涙の跡　幾度数えてた？
　繋いだ鎖は罪へと　心の痛みは罰へと
　銀月　見下ろしてる　悔恨に抱（いだ）かれて...


　約束は安息の中に埋もれ
　義務を忘れ　権利を貪った
　ワガママなこの愛を　ねぇ　どうして
　いつまでもうやむやで耐えてたの？

　君に嫌われるのなら　いっそこの手でさ
　間違った選択を　わざわざ選びたくて
　明日また繰り返すと　一人自己逃避
　タイムリミットの鐘　君が鳴らす時まで

　愛した気がした幻想　与えた気がした怠慢
　消せない傷を重ね　どこへ失くしてた？
　溢れた想いは罪へと　叶わぬ虚像を罰へと
　サヨナラ　告げることが　最善と知っていて...


　愛したことさえ壊した　与えたものさえ奪った
　愛するその全てを　遥かへ逃がした
　愛した鎖は自由に　与えた痛みは軌跡に
　愛対（あいたい）　月を背にし　またいつか微笑んで