教室までの廊下と階段は意外とすいていて楽々教室がある階まで行くことができた。四階に私の教室がある。階段を上るのは結構きついものがある。
体力が二階くらいでなくなるのだ、運動した方がいいのだろうかと思う。
教室に入ると数人の生徒。勉強してる人がいたり、日直の仕事をしたり。
私は席に座ると2人の女子が集まってきた。
ここからは私のターンだ。にっこりと作り笑顔をして話を合わせる。
宿題はどこまで、あの子たち昨日から付き合ってる、そのペンいいね、と他愛も無い会話をする。私はその間完璧な作り笑顔で答えるのだ。皆は不思議そうになんか見ずに当たり前のように見るのだ。だから女子は嫌いだ。少しの気持ちの変化にも気づかない。
後ろから聞き覚えのある声、私の後ろから物音。有坂だ。
いつも遅いのに今日だけちょっと早くてなんだか変な気分だ。有坂のほうをちらっと見てみるる。いつもさらさらで寝癖なんてついてない髪に今日は寝癖が一つだけ小さくついている。
きっと有坂は気づいてないのだろう。
有坂はリュックを椅子の背もたれにかけた。ここで話しかけたら有坂はどんな反応をするのだろう、それが気になったのである。

「有坂、寝癖ついてるんだけど」
そう言うと有坂の寝癖を指で指した。
有坂はまじで、と言うと廊下に出てってしまった。トイレの鏡でも見に行くつもりだろう。まったく、反応が女子みたいでしょうがない。これだから、有坂は可愛いのだ。もう、有坂は女子でいいんじゃないか。そうとも思ってきた。
女子より可愛いし、字も可愛いし、近くに行ったらいい香りするときあるし。
何より萌え袖が似合うところとか。見てるだけで顔が緩む。
制服がすごい似合うところとか、有坂が可愛いところなんか言い始めたらきりが無い。男子からも有坂は「女子だよな」とからかわれてるけど、私は男子たちに肯定意見だ。私は有坂の私服を見てみたい。小学校が違うこともあって見れてない。頭の中はいろんな服装の有坂。私服でちょっとオシャレだったり、スーツでかっこつけたり、メイド服…もうたまらない。

有坂は寝癖を直し戻ってきた。前髪を揺らし少し恥ずかしながら。
そういえば有坂は前髪をやたら気にする。他の男子もそうだ。
ちらっと見ると前髪を手でいじっていたり、分け目気にしたり。
男子たちはきっと「前髪気にする病なんかじゃないか」と疑ったこともある。
そんなに気になるなら切ってしまえばいいのに。そんなことも思っていることもある。前髪を切るときって大体みんな同じような時期に切る。
有坂もそうだ。去年、皆が偶然前髪を一緒の時期に切ったときに有坂も切っていたっけ。私は切る前のぱっつんぎみの方が好きだったりするが、口には出さない。何故かと言うと、理由は単純だ。恥ずかしいからだ。
有坂は席に座ると机の中から本を出した。よく見てみると私も持っている本だった。主人公の女の子が旅をしている途中で素敵な男の人と出会う。
そして二人は恋に落ちるが、告白のときに男の人がその場で不慮の事故で亡くなってしまう。女の子は彼の死を受け止めて前へ進みまた、恋をするがまたも告白の際にその場で亡くなる。そう、女の子が関わっていく人には災難が。それも告白のときだけ。そんな現実ではありえない話を読むのが私は好きだったが、まさか有坂も同じ本を読むだなんて。なんだか心が躍った。単純に嬉しかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

5話

閲覧数:73

投稿日:2016/06/21 16:30:02

文字数:1,401文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました